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コーポレートガバナンスとITガバナンス 安田 正敏

コーポレートガバナンスが経営者の戦略設定及びそれを遂行するための業務の執行、リスク管理、業績の評価等を通じて企業価値を増大させることを保証する仕組であるならば、まさに企業戦略の遂行を担うITの活動を企業の戦略に整合させ、適切な資源配分により費用対効果を最適にすることは取締役会及び取締役の責務です。

怖いものには蓋?-EUの銀行が抱えるリスク 安田 正敏

9月7日のウォールストリートジャーナル電子版(WSJ)は、EU の91行のストレステストではEUの銀行が抱えるギリシャ、スペイン、ポルトガルなどの国債保有に係るリスクが相当に過小評価されていることを指摘しています。このような「怖いものには蓋」という姿勢では、銀行のリスクマネジメントの目的を達成できません。

日本産業の復活とコーポレートガバナンス 安田 正敏

経済産業省は「産業構造ビジョン2010」成長戦略の中で打ち出している政策提言のひとつとして、中長期・グローバル市場に配慮したM&Aの環境整備をうたっています。しかし、過去の大企業のM&Aが必ずしも成功しておらず、その大きな原因のひとつは、組織の簡素化、経営の効率化よりも、統合後の経営陣の人事のバランスをとる、いわゆるたすきがけ人事のために、事業統合が迅速な意思決定による競争力の向上や収益力の向上に結びついていないことです。

活かされないJ-SOX内部統制の構築・評価(2) 安田 正敏

金融庁の行政処分事例集を見ると大銀行や大手証券会社を含む多くの金融関係会社が、J-SOXへの準備後も内部管理の不備、特に法令順守に係る内部管理の不備があったことが明らかです。この原因は、J-SOX をリスクの棚卸のチャンスとして捉えることをしなかった経営者の姿勢にあり、またその姿勢を正すことができなかったガバナンスの機能不全にあるといえます。

活かされないJ-SOX内部統制の構築・評価(1) 安田 正敏

大手損害保険会社のリスクマネジメント体制の不適切さが金融庁から指摘されています。リスクマネジメントを生業とする会社の紺屋の白袴的な失態です。筆者が不思議に思うのは、いわゆるJ-SOXによる内部統制の構築においてこのような体制がなぜ見落とされていたかということです。

監査役の任期について 安田 正敏

監査役の任期が4年ということは、株主の監査役に対する意思表明が4年に一度しか出来ないことになり長すぎはしないかという機関投資家サイドからの意見があります。しかし、株主の立場からすれば、むしろ監査役候補の指名を社長から独立した機関によって行うことを義務付けることのほうがより意味があることだと思います。

IPO-利益相反が潜在する証券会社の役割 安田 正敏

最近、「上場詐欺事件」が2件続けて起きています。上場基準の中で重要なチェック機能を果たすことが期待されている主幹事証券会社の多岐にわたるサービスの間には基本的に利益相反の問題が内在しています。この利益相反から起きる問題を防ぐための主幹事證券会社の体制とルールが機能しているかどうか疑問が生じます。

ストレステストのストレス 安田 正敏

7月23日、欧州銀行監督委員会は域内20ヶ国、91の銀行のストレステストの結果を発表しました。ストレステストの結果は株式市場あるいは投資家が予想していたよりは良く、好感をもって迎えられたようです。しかし、このストレステストにストレスを感じる理由がいくつかあります。

コーポレートガバナンス格付(最終回) 安田 正敏

米国のコーポレートガバナンス格付を行っている主要な4社、GMI、ISS、S&P、TCLのサービス内容について概略を紹介してきましたが、今回はその格付けの方法と利用者について見た上で、これらの格付けサービスに対する批判について紹介します。

二つの「外部の目」を欠くトヨタ自動車のガバナンス 安田 正敏

コーポレートガバナンスの観点からするとトヨタ自動車のコーポレートガバナンスには二つの「外部の目」が欠けているといえます。一つはグローバル企業トヨタ自動車の業務執行を監視する外国人取締役の目、もう一つは社外取締役の目です。

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一般社団法人実践コーポレートガバナンス研究会

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