ひとはなぜ戦争をするのか--脳力のレッスンV/寺島実郎著:岩波書店 書籍レビュー
著者は知性の中核は歴史認識であるとし、著者はその点から現在の日本の政治・外交の理念のなさと脆弱性を危惧する。日米関係が本音を隠した矮小なものになりつつあるとも分析する。
実録・銀行 トップバンカーが見た興亡の60年史/前田裕之著:ディスカヴァー・トゥエンティワン 書籍レビュー
富士銀行頭取、全銀協会長、ドイツ証券会長、日本政策投資銀行社長を歴任された橋本徹氏の60年にわたる金融マン人生とその間の国内外の金融と金融システムの変遷がこの本のテーマである。
橋本氏には、4月5日(木)に行われる実践コーポレートガバナンス研究会の月例勉強会でに「信仰と金融マン人生 ~企業風土と組織の舵取りについて~」のタイトルでご講演頂くこととなっている。
橋本氏には、4月5日(木)に行われる実践コーポレートガバナンス研究会の月例勉強会でに「信仰と金融マン人生 ~企業風土と組織の舵取りについて~」のタイトルでご講演頂くこととなっている。
女性取締役候補の育成を ~道のりは遠いが地道な1歩1歩を~ 安田 正敏
2月28日の日経は近々改訂されるコーポレートガバナンス・コードが取締役会に女性がいない企業は投資家に理由を説明するよう求めることを報じています。これは極めて高いハードルですが、1歩1歩地道に社外の女性取締役候補を探していくことが現実的な解決策です。当研究会では、社外取締役候補になる意思のある女性の方々が集まり勉強会を開いたり議論を交わしたりしながら社外取締役としての知見を身に付けて頂くお手伝いもしていきます。
国際金融センターを構想するには 門多 丈
東京都は「国際金融都市・東京」構想を公表した。日本の年金基金など機関投資家に海外のプロのアセット・マネージャーとしっかり付き合える能力があるかが疑問だ。
戦争調査会 幻の政府文書を読み解く/井上寿一著:講談社現代新書 書籍レビュー
戦争調査会は第2次大戦終戦直後に、極東裁判とは別に日本人自身で「戦争の原因」を追究しようとの試みで開かれた。その中では日本が戦争を回避できる機会があったこと、負けることをうすうす分っていながら戦争に入ったこと、などの興味深い証言が記録されている。
日本人のための第一次世界大戦史 世界はなぜ戦争に突入したのか:板谷敏彦著/毎日新聞出版 書籍レビュー
歴史上初めての世界大戦と言われる第一次世界大戦について、長期で残虐な大量殺戮の戦争になった経緯と日本の歴史的なかかわりについての詳細に興味深い著述である。
今そこにあるバブル:滝田洋一著/日本経済新聞出版社 書籍レビュー
日本経済新聞社 編集委員である滝田洋一氏の著書。まさにどぶ板を踏んでの取材で、「バブルめいた現象」を観察し分析している。
コーポレートガバナンス改革の次の一歩は 門多 丈
コーポレートガバナンス改革の次の一歩は、取締役会の活性化と株主総会の運営の改善である。最近頻発する企業不祥事の背景には「内向き」の経営姿勢と企業風土がある。株主と社外取締役による経営の適切な監督が一層重要になっている。
人民元の興亡 毛沢東・鄧小平・習近平が見た夢:吉岡桂子著/小学館 書籍レビュー
朝日新聞で北京駐在が長かった著者が人民元の紙幣の歴史とともに国際通貨として確立しようとする中国政府の努力について解説している。その中で国内の政治・経済・金融の不安定性の中で資本流出のリスクがあることで、通貨としての潜在的な不安定性に晒されていることも分析している。
進展する英国のコーポレートガバナンス改革 安田 正敏
英国政府が最近発表したコーポレートガバナンス改革の骨子は、経営者の報酬開示などについて経営者と一般従業員の報酬の乖離率を開示することなど、世界でも初めての試みが盛られています。経営者の報酬を巡る議論にしても、従業員の利益の反映の施策にしても日本での議論はここまでのレベルには遠いものがあります。また、米国の企業文化からも少し離れているような気もします。今後の展開をウォッチしていく必要があります。