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ファミリービジネスは社外取締役を求めている 門多 丈

2014年07月14日
世界や日本の経済にファミリービジネスの占める比重は高く、エクセレントカンパニーも多い。永続企業であるためには、ファミリービジネスにも「外部の目」としての社外取締役が必要な時代になっている。
世界や日本の経済にファミリービジネスの占める比重は高い。特徴ある商品、技術、サービスを持ち、長寿のエクセレントカンパニーにはファミリービジネスが多い。実践コーポレートガバナンス研究会の7月10日のお昼の勉強会では、ヨコハマコンサルティング株式会社 代表取締役会長で日本ファミリービジネスアドバイザー協会 理事長の西川 盛朗(にしかわ もりお)氏に「ファミリービジネスは社外取締役を求めている」のタイトルで講演して頂いた。

永続企業であるためにはファミリービジネスにも「外部の目」としての社外取締役が必要であり有効と西川氏は強調された。ファミリービジネスにとっても株主以外の多様なステークホールダーがいて、グローバルなビジネス環境になっている今日にはますます必要となっていると思う。西川氏は「オーナーはファミリービジネスの良さ、強さに自らは気付いていない」、「オーナーは孤独」、「ファミリービジネスは同じ原因、失敗で躓いている」とし、ファミリービジネス・コンサルティングの有効性を強調された。社外取締役の貢献できる面でもあろう。一方「オーナーは(外部の人材について)厳しい選択眼を持つ」と釘も刺された。

社外取締役の役割はブレーキとアクセルとなることとし、西川氏はその理由としてファミリービジネスにある幾つもの「落とし穴」を挙げられた。具体的には「理念なき経営」、「時代の変化への不適応」、「短期主義」「会社の私物化」、「継承問題の失敗」、「規律なき身内の関与」、「人を育てられない」、「組織化、システム化の失敗」などである。勉強会席上でも議論になったが、このようなファミリービジネス特有と説明あった課題や悩みは日本の上場企業でも全く変わらないものと思う。

西川氏はファミリービジネスアドバイザー協会を設立された(http://www.fbaa.jp/)。ファミリービジネスの本質、構造、力学をよく理解し、効果的なコンサルティングを行うためのネットワーキングと人材育成のための組織である。この協会では「ファミリービジネスアドバイザー資格認定」プログラムも開講されている(http://www.fbaa.jp/Brochure_Certificate.pdf)が、企業投資分野やグループ企業経営で活躍すべき人材育成などの面でも有益なコースとも考える。

(文責:門多 丈)

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