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ガバナンス・コード有識者会議に期待すること 門多 丈

2014年08月25日
ガバナンス・コードの制定は、取締役会自らが議論し、それぞれの企業に相応しいガバナンス体制を決定することに目的がある。有識者会議で原則を決定するに当たっては、「取締役会(単なる監督機能ではないはず)と執行の分離」の考えと社外独立取締役の役割と機能の議論を深めて頂きたい。
コーポレートガバナンス・コードの有識者会議(「有識者会議」)の第1回の会議が開かれた。議事録もしかるべく公開されることとなっている。
http://www.fsa.go.jp/singi/corporategovernance/siryou/20140807.html

有識者会議の任務は、ガバナンスの諸原則を策定することである。従来から経団連は社外取締役の義務化について「企業の事情が違うのであるから、企業自身が考え結論を出すべき」と主張している。今回決定するガバナンス・コード は "Comply or Explain "( 遵守か説明か)のアプローチを取り、各企業はガバナンス・コードについては「取締役会自らが議論しあるべき体制を決定する」こととなる訳で、この点では経団連が主張する「企業自身が考え結論を出す」考えに合致しているのである。

有識者会議では、ガバナンス・コードの根底にあるべき「取締役会と執行の分離」の考えと社外独立取締役の役割と機能の議論を深めてもらいたい。ガバナンス・コードでどのような原則を決めるかが最大の課題であると思うが、その点では英国のガバナンス・コードの主要な項目である、具体的には A. リーダーシップ B. 取締役会の 有効性 C. 説明責任 D. 報酬 E. 株主との 関係、が「取締役会自らが議論しあるべき体制を決定する」趣旨に最適なものと個人的には考える。

第1回の会議でも「海外よりも高い基準を求めるべきだ」との意見が出たと報道されている。ガバナンス・コードの原則には「複数の社外独立取締役」と「経営者の指名と報酬について社外独立取締役が主導する委員会」を入れるべく有識者会議では議論して頂きたい。現状からは「余りにも厳しすぎる」基準との考えもありえるが、このような原則を受け入れるか否かを各社の取締役会が真剣に議論することに"Comply or Explain "の真髄があると考える。

「 英米モデルを前提に取締役会・取締役のことだけを日本のガバナンス・コードで議論することは現実的でなく、取締役会・取締役・監査役会・監査役を 同じテーブルの上に乗せて議論すべき」との意見もある。その点では監査役、三様連携などをどう視野に入れて、コードに盛り込むかの議論も重要であると思う(社外取締役と監査役が定期的に会合する場を常設する、などのアイデアなども考えられる)。今回の有識者会議は会社法の枠を越えてガバナンスについてのガイドラインを議論するのが目的である。監査役協会や内部監査協会もガバナンス・コード策定に当たり、それぞれの機能でガバナンス改革にどう貢献するか、その枠組みをどう作っていくべきかの意見を表明すべきと考える。

ガバナンス・コードは、取締役会が自らの役割と機能をどう規定していくためのものと思う。経産省コーポレートガバナンス・システムの在り方に関する研究会「社外役員等に関するガイドライン」は、この議論で深めるべき点を適切に挙げていて参考になる。
http://www.meti.go.jp/press/2014/06/20140630002/20140630002B.pdf

(文責:門多 丈)

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