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国際金融センターを構想するには 門多 丈

2018年02月28日
東京都は「国際金融都市・東京」構想を公表した。日本の年金基金など機関投資家に海外のプロのアセット・マネージャーとしっかり付き合える能力があるかが疑問だ。

 東京都が公表した「国際金融都市・東京」構想によると、グローバルに活躍する専門性の高いアセット・マネージャーの誘致も課題とされている。

 魅力的なビジネス面、生活面の環境整備が柱となるが、海外のアセット・マネージャーが日本での金融サービス事業の展開に関して持つ様々な懸念に対し、規制当局や自主規制団体が敏速に適切に対応できるかも重要である。 

 とりわけ独立系で個人がリードするような金融サービスを受け入れる環境や風土をどう作るかが課題である。今回の構想ではさほど議論されていないが、日本の年金基金など機関投資家に国際金融センターを活用できる能力があるか、プロのアセット・マネージャーとしっかり付き合える人材がいるかが大いに疑問だ。海外の「凄腕」ファンド・マネージャーが日本と商売したがらない理由に、日本の機関投資家の三大「悪弊」ともいうべきものがある。「ブランド志向(大手金融機関との取引を是とし、独立系の良さを評価できない)」「運用報酬は安ければ安いほどよいと思っている」「一任勘定取引のはずなのに、運用の詳細を(必要以上に)コマゴマと聞いてくる」である。これでは世界のトップ・クラスのファンド・マネージャーは日本との取引は望まない。

 このような機関投資家の行動形態を変えるのにも、コーポレートガバナンスが機能することが重要であると思う。年金基金などの投資委員会や運用委員会など統治機関に、運用の現場が効率的・効果的な体制となっているかの監督をしっかり行う責任があるということである。

(文責:門多 丈)

※ 本記事は金融ファクシミリ新聞2018年1月10日号「複眼」コラムに投稿したものです。


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