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転んでもただでは 門多 丈

2020年06月11日
コロナ災禍を契機に、企業経営、ビジネスモデル、働き方の根本的な見直しが起こる。DX(デジタルトランスフォーメーション)の課題である。中国がコロナ災禍も契機にIT, AI, SAASを使った新たな産業やビジネスモデルの創造に取り組んでいることは注目すべきである。

新型コロナウィルス感染を契機に、わが国でテレワークなどが身近になってきたが、働き方改革にどう繋げるかの展望は未だ見えない。医療の効率化に資する遠隔診療も、受診歴のない患者にオンライン診療を認めることとなった。これも感染が収まるまでの特例措置であり、大胆な制度改革には繋がらない。一方、中国ではコロナ後の経済・産業の復活の絵を描き、次のような投資への動きが出ている。

ウェブ、AIビジネスでは、B to B, 通販、医療・ヘルスケアの事業で既にしっかりした事業基盤や顧客ネットワークを持つ企業が事業の強化・多様化し、顧客を取り込めるチャンスと見ている。ネットやAI技術を活用した新規ビジネスとしては、オンラインでのソリューションビジネスとして、高度な遠隔医療・ヘルスケア、教育サービスを展開する事業が急拡大すると見ている。サプライチェーンや省力化のためのロボット・AIやリモートワークのシステム会社、サイバーセキュリティ事業にもチャンスがあると見ている。このような新しいビジネスモデルの導入には、高度で大容量の画像・情報処理が可能な5G技術の導入が必須となる。

伝統的なオフライン・ビジネスでは、営業の不振や資本のニーズの必要から中堅・中小流通・小売業の再編・統合が出てくると予想している。「転んでもただでは起きない」根性を感じる。

※ 本記事は金融ファクシミリ新聞2020年5月12日号「複眼」欄に投稿したものです。


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