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アフターコロナの企業統治 門多 丈

2020年08月07日
アフターコロナはドラスティックな企業環境の変化の中で業務のデジタル化のみならず、ビジネスモデルの見直しリモートワークなど働き方、人事改革などが重要な系課題となる。データ・ガバナンス、サイバーセキュリティなどのリスク管理も含め、経営が適切で効果的な対応をしているかを監督するのがコーポレートガバナンスの課題となる。

アフターコロナでは社会や人間の考え、価値観がかなり変わる。ニューノーマルの環境での企業経営、組織運営、働き方やESGS(社会)に比重を置いた議論が必要だ。キーワードはサステナビリティ、リアルとネットで、これらに焦点を当てた企業戦略やビジネスモデルの見直しが迫られている。 

テレワークではビデオ会議の利便性や企業を支えるのは人材であること考える機会になった。ビッグ・データとリモートワークを活用するビジネスモデル、IT,AIを使っての企業の組織や業務の効率化、リスク管理方式の見直しなど企業経営全般のDX(デジタル・トランスフォーメーション)が迫られる。 

コーポレートガバナンス(企業統治)の課題はこのような新しい社会、経済環境の下で、企業経営が長期的な繁栄に向けて然るべきアクションをとるよう監視することである。そのなかで新たに生ずるリスクを含め内部統制と内部監査の在り方についても見直すことも課題となる。パンデミックのような災害が起こった際のサプライチェーンの在り方、リモートワークの活用などについて取締役会で充分議論していたとは言えない。BCP(事業継続計画)の中でパンデミックも意識していながら、それがどのようなリスクで、現実にそれが起こった時に、どう対処するかの議論はほとんどされていなかったことを反省する必要がある。

※ 本記事は金融ファクシミリ新聞7月8日号「複眼」欄に投稿したものです。


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