セミナー

2018年 月例勉強会

2018/12/20

【第99回月例勉強会】ROE経営と見えない価値 ~CFOポリシーの理論と実践~

■講師:柳 良平 氏(博士(経済学)、エーザイ株式会社 常務執行役 CFO(最高財務責任者)、早稲田大学大学院会計研究科 客員教授)

■講演内容:
一連のコーポレートガバナンス改革の中で、ROEを意識した経営、またその先にあるESG(環境、社会、統治)や非財務資本(見えない価値)の訴求による持続的価値創造の重要性が高まっている。中でも、コーポレートガバナンス・コードの改訂により、資本コストを意識した経営が求められるなど、経営の羅針盤としてのCFOの役割がより重要性を増している。
今回の勉強会では、日本企業の「不都合な真実」に焦点を当て、その解決策として、現役CFOとしての財務戦略「CFOポリシー」の実践と、大学教授として著書で発表した理論フレームワークを紹介する。具体的には、資本コストと企業価値の関係を勘案したROE経営の在り方から、伊藤レポートでも採択された「エクイティ・スプレッド」、およびESGと企業価値の関連性を追求して、見えない価値を“見える化”するための「非財務資本とエクイティ・スプレッドの同期化モデル」を提案し、世界の投資家サーベイの示唆や実証研究も合わせて議論を深堀したい。これらの議論が日本企業のCFOポリシーの策定と実践に寄与できればと願う。

■講師略歴:
京都大学博士(経済学)。米国公認管理会計士、米国公認財務管理士。公職として東京証券取引所上場制度整備懇談会委員、経産省「伊藤レポート」執筆委員、日本IR研究学会理事、日本管理会計学会常務理事、米国公認管理会計士協会(IMA)常任理事等を務める。
職歴としては、銀行支店長、メーカーIR・財務部長、UBS証券エクゼクティブディレクター等を経て現職CFO。早稲田大学及び東洋大学の客員教授を兼任。2017年度早稲田大学Teaching Award総長賞受賞。主著:「ROE経営と見えない価値」、「ROE革命の財務戦略」(中央経済社)。

2018/11/21

【第98回月例勉強会】コード改訂後のガバナンス報告書開示および 監査報告書の透明化(KAMの導入)がもたらす影響について

■講師:小林 昭夫 氏(PwCあらた有限責任監査法人 パートナー 公認会計士 公認不正検査士)

■講演内容:
一連のコーポレートガバナンス改革を俯瞰するとともに、政策保有株式の縮減方針(原則1-4)、企業年金オーナーとしての機能(原則2-6)、CEOの選解任(原則3-1)、経営計画策定における資本コストの把握(原則5-2)など、2018年のコード改訂のポイントを解説する。また、改訂コードに対応したガバナンス報告書を提出した企業の開示事例を一部紹介する。
 加えて、2018年7月に公表された監査基準の改訂に伴い今後導入が予定される新しい監査報告書についても解説を行う。監査報告書改革(監査報告書の透明化、KAM:Key Audit Matter(監査上の主要な検討事項の記載)が企業開示や投資家との対話の促進にどの様に寄与するのかについて、先行する英国等の状況に触れながら、我が国への影響を探っていきたい。

■講師略歴:
30年以上に渡り国内・海外の上場企業に対する監査業務や会計アドバイザリー業務を提供している。コーポレートガバナンス強化支援チームのリーダーを務め、複数の大手上場企業のコーポレートガバナンス強化支援、取締役会の実効性評価支援等を実施するほか、コーポレートガバナンスに関連するセミナーや寄稿などの活動を行っている。コーポレートガバナンス・コード策定のための有識者会議での検討を目的として東証から委託された「コーポレートガバナンス・コード等に関する海外運用実態調査~英国、フランス、ドイツ、シンガポール、米国~」(2014年12月29日あらた監査法人)の取り纏めを担当、中央経済社「コーポレートガバナンス・コードの実務対応Q&A」(2015年12月)執筆を担当。

2018/10/01

【第97回月例勉強会】中国産業イノベーションの現状 ~各地で勃興する次世代産業~

■講師:藤代 康一 氏(三井物産戦略研究所 研究員

■講演内容:
官民を挙げてイノベーション国を目指す中国政府は、イノベーションを先導に製造強国を目指す「製造2025」計画を作成した。その中には次世代情報技術、情報化と工業化を融合するスマート製造業、高機能NC工作機とロボット、省エネ・新エネ、新素材などの施策がある。
中国におけるデジタルトランスフォーメーション(DT)は日本の遥か先を進み、新たな経済圏が拡大している。北京、深センはシリコンバレーにも勝るとも劣らないイノベーション創出地域となり、多数のユニコーン企業が生まれている。他方、既存大企業であるBATJ(Baidu、Alibaba、Tencent、JD.com)はスタートアップを買収することによって、成長を維持、加速している。
我々の想像を上回る中国のイノベーションの進展に、日本企業はどのように対処するべきか。その着眼点やチャンスを現地報告や実例をもとに探る。

■講師略歴:
2000年早稲田大学社会科学部卒。技術系コンサルティング会社を経て、2005年三井物産戦略研究所入社。地域創生プロジェクト等を担当の後、2011年三井物産㈱次世代ビジネス創出タスクフォースを経て、経営企画部イノベーション推進室へ出向。2013年より戦略研究所 産業情報部産業調査第一室に所属し、機械産業全般と中国ITサービス産業を担当。2016年末から深センを中心に、ベンチャー動向やモバイル決済動向の調査を実施。同内容をTM研究会(会長:小宮山宏 東京大学第28代総長)、経営研究所(所長:藤本隆宏 東京大学ものづくり経営研究センター センター長)、関西経済連合会国際委員会(委員長:パナソニック 松下正幸副会長)、深セン市投資推進署主催 経済交流会等で講演。

2018/09/05

【第96回月例勉強会】企業不祥事から学ぶコーポレートガバナンス改革 ~企業価値の向上と毀損防止に向けて企業は何をすべきか~

■講師:渡辺 樹一 氏(ジャパン・ビジネス・アシュアランス シニアマネジャー)

■講演内容:
コーポレートガバナンス・コード施行から4年目を迎え、いわゆる攻めのガバナンスとしての企業統治改革が進められる中、守りのガバナンスという側面では、企業不祥事が後を絶ちません。企業価値を増大させながらビジネス(利益)もコンプライアンス(倫理)も同時に追求するというコンプライアンス経営が求められる中、企業価値の向上と毀損防止に向けて企業は何をすべきか、その答えは一体どこにあるのでしょうか。
そこで今回は、この分野のご専門家である渡辺樹一氏にご登壇いただき、ここ4年半に上場企業により公開された173件の企業不祥事に関する調査報告書を基に、企業不祥事の背景、内在する問題、その本質的な原因等について分析していただきました。その上で、いくつかの事例内容もご紹介しつつ、ガバナンスの観点から論点を整理し、具体策も含めたコーポレートガバナンス改革について解説していただきました。

■講師略歴:
1979年一橋大法卒、伊藤忠商事入社。エネルギー部門にて石油開発等に従事。1998年アイダエンジニアリングにて国際事業部主事、経営企画室長、欧州事業CFO、監査室長等を歴任。2011年からジャパン・ビジネス・アシュアランスにて企業統治・内部統制構築・上場支援などのコンサルティングを手掛ける。米国公認会計士。早稲田大学非常勤購師、一般社団法人GBL研究所理事、東証1部上場会社の社外取締役なども務める。
執筆に、「IFRSと企業法務」、「統合報告と今後の着眼点」「企業不祥事・不正防止への組織的対応」(ビジネスロージャーナル)「監査法人のガバナンスコード」(週刊エコノミスト)、「企業不祥事の原因はどこに」(日経産業新聞、日経電子版)など。本年1月より弁護士ドットコムのBusiness Lawyersにて「企業価値向上と毀損防止に向けて企業は何をすべきか」を連載中。

2018/07/18

【第95回月例勉強会】ROEを超えて ~企業価値向上とファイナンス・リテラシー~

■講師:河原 茂晴 氏(河原アソシエイツ 代表/公認会計士(日本ならびに米国))

■講演内容:
2013年に始動したアベノミクスは、インベストメント・チェーンの3つのプレーヤー、すなわち、アセットオーナー、アセットマネージャー、そして企業に対して、全体最適改革を促すプログラムを組んで経済界全体に働きかけをした結果、国富を増やしていくという景気の好循環を作り出すことに成功しつつあり、今や一部上場企業のROEは8%を超えるところまで来ています。次に向かうところは、ROEを超えて、株主価値を含む全体企業価値の持続的成長です。企業価値の源泉であるESGなどの非財務的価値をどう認識し、顕在化させていくのか、IIRC(国際統合報告委員会)による問題提起、経団連の企業行動憲章などを例に挙げ、ESG、SDGs、価値協創ガイダンスなどについて、統合報告のベストプラクティスを吟味しながら解説いただきました。また、具体的な企業の取り組み事例についてもご紹介いただきました。

■講師略歴:
ソニー(株)の企業内会計士として23年間、本社決算・税務統括、TV工場にて原価管理、金融事業(ソニー生命)立上げ、ソニーアメリカ Director/Controller(7年)、国内海外子会社1,000社の業績管理・指導、国際税務(移転価格・海外事業再編にかかる税務)など、常に企業会計、企業財務、業績管理、国際税務という切り口を中心として実務の現場に。KPMG入社後は16年間、パートナーとして、国際事業戦略、国際税務戦略、業績管理、その他幅広い国際業コンサルティングを行うとともに、国際移転価格、Global Tax MinimizationのKPMGグローバルネットワークの日本代表を務める。2002年の監査法人の統合によりKPMGあずさ監査法人に籍を移し、代表社員、KPMGグローバルマーケットの日本統括パートナーとして、多くのグローバル企業の海外事業展開・コーポレートガバナンスの問題など、CEO/CFO向けのアドバイザリーを務めてきた。KPMG CFO CLUB主宰。2012年あずさ監査法人退職。河原アソシエイツ開設。日本企業のCEO/CFO向けのアドバイザリー、イベント企画など顧問業務を展開。2016年から一橋大学CFO教育研究センターにも勤務。慶應義塾大学経済学部卒業。経済同友会幹事(最近では経営改革委員会副委員長を歴任)、日本取締役協会、日本CGネットワーク、日本工業倶楽部など各会員。社外取締役として、日立キャピタル、スルガ銀行(2018年)。

お問い合わせ先

一般社団法人実践コーポレートガバナンス研究会

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