セミナー

2016年 月例勉強会

2016/01/26

【第67回月例勉強会】社外取締役への期待 ~監査役から見た課題と展望~

■講師:三神 明 氏(明治大学専門職大学院講師(金融商品取引法)、株式会社公益社監査役、株式会社ESSC監査役)

■講演内容:
わが国独自のガバナンス形態である監査役制度は、一つの岐路に差し掛かっている。2010年4月28日に法務省法制審議会会社法制部会第1回会議が開催され、会社法制見直しの議論がスタートしたが、最も大きな焦点の一つは上場会社に置ける社外取締役設置義務化の議論であった。2011年に相次いで発覚したO社・D社での大型不祥事は、その両社ともが監査役会設置会社であったことから、わが国独自のコーポレートガバナンスの仕組みである監査役制度に対して疑問が投げかけられ、会社法制の見直しに大きな影響を与えた。「社外監査役がいることが社外取締役を置くことが相当でない理由にならない」との方向性が固まって以降、スチュアードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コードの制定の過程では、社外取締役制度についての監査役側からの意見は殆ど見られなかった。そこで今回は、同志社大学監査制度研究会と日本監査役協会関西支部実務研究会との共同研究会が「社外取締役」をテーマに月刊監査役2015年11-12月号に発表した報告書をベースに、監査役の立場からご講演をいただいた。その後に発覚したT社・VW社等の大型企業不祥事も踏まえて、監査役から見た社外取締役の課題と展望、および三様監査の重要性について改めて検討した。

■講師略歴:
1975年三菱商事株式会社入社。その後一貫してプラント輸出業務に従事。千代田化工建設株式会社LNGプロジェクトコーディネーター、香港三菱商事会社機械部副総経理、カナダ三菱商事副社長等を経て1998年より監査部。長年にわたり監査部組織運営、子会社内部監査組織の立上げ・運営指導に携わる。2011年6月より燦ホールディングス株式会社常勤監査役、株式会社公益社監査役、株式会社ESSC監査役。日本価値創造ERM学会創立会員、明治大学専門職大学院講師(金融商品取引法)。「監査役監査と内部監査」(月間監査役、2008年7月号)、「コーポレートガバナンスと内部監査」(月刊監査研究、2010年1月号)、「金融危機後の会計監査のあり方」(月刊企業会計、2011年8月号)、「監査役監査の定義と監査役制度の国際理解」(月刊監査役、2014年5月号)他、コーポレートガバナンス、リスクマネジメント、内部統制、三様監査に関する論文多数。東京大学理学部卒。

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一般社団法人実践コーポレートガバナンス研究会

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