セミナー

2015年 月例勉強会

2015/12/15

【第66回月例勉強会】スチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コード導入と現状の課題

■講師:油布 志行 氏(金融庁 総務企画局 参事官・総合政策等担当)

■講演内容:
スチュワードシップ・コード(2014年2月)とコーポレートガバナンス・コード(2015年6月)の導入により、日本の企業統治は大きな変革を遂げていくことが期待されている。機関投資家には中長期の視点に立った建設的なエンゲージメントを促しつつ、上場企業には多様なステークホルダーに配慮した中長期的な企業価値の向上を求める二つのコードは、今後、「車の両輪」として、形式ではなく実質を重視する形で機能していくことが期待される。
そこで今回は、両コードを策定した二つの有識者会議の事務局を務められた金融庁の油布参事官をお招きし、コード策定のねらいと、現状の課題についてご報告いただいた。

■講師略歴:
平成元年 大蔵省入省、平成16年~20年 OECDに派遣され、アジア新興市場国等の企業統治の改善を支援。平成24年~25年 金融庁総合政策室長としてNISAの導入を担当。平成25年~27年 同庁企業開示課長。「日本版スチュワードシップコード」「コーポレートガバンナンス・コード原案」の策定にあたり、それぞれの有識者会議の事務局を務める。平成27年より現職。東京大学法学部卒業、コロンビア大学修士(国際関係論)。

2015/11/18

【第65回月例勉強会】実効的コーポレートガバナンスの要諦とはなにか ~環境変化を生き抜く企業経営の支えとして~

■講師:蛭田 史郎 氏(旭化成株式会社 常任相談役)

■講演内容:
会社を持続的に成長させていくためには、環境変化に応じて事業の見直しを絶えず図り、産業構造の変化に対応していくことが最も重要である。コーポレートガバナンスの議論もこの観点からなされる必要がある。ところが、日本の企業の多くは、失敗しても経営者は責任を取ることなく失敗した経営者が後継者を選ぶ。また、成功した経営者は成功体験に縛られ環境変化に対応できないことが多い。
2003年4月に旭化成の代表取締役社長に就任されて以来、7年間にわたり旭化成グループの経営を指揮し、現在はオリンパス社の社外取締役として同社の経営改革の重責も務められる蛭田史郎氏が、執行と監督の分離、その前提となる取締役会決定事項の再考、後継者指名の重要性等を中心に実効的なコーポレートガバナンスのあり方を語っていただいた。

■講師略歴:
1941年福島県出身。1964年横浜国立大学工学部応用化学科卒業。同年4月旭化成工業株式会社(現:旭化成株式会社)入社。エンジニアリング樹脂工場長、レオナ工場長、エレクトロニクス事業部門長、経営戦略担当役員等を経て、2003年4月代表取締役社長に就任。7年間の社長在任期間に、旭化成グループの持株・分社化やグローバル展開を推進。
現在、旭化成株式会社常任相談役、株式会社日本経済新聞社社外監査役、オリンパス株式会社社外取締役、立命館大学大学院経営管理研究科客員教授など。

2015/10/19

【第64回月例勉強会】取締役会評価とコーポレート・ガバナンス ~取締役会の実効性向上を目指して~

■講師:高山 与志子 氏(ジェイ・ユーラス・アイアール株式会社 マネージング・ディレクター、取締役)

■講演内容:
コーポレートガバナンス・コードで実施が要請されている取締役会評価は、取締役会の実効性向上のための有益なプロセスとして、海外では既に多くの企業において実施されている。日本でも、ガバナンスの形式から実効性へと関心が変化しているなか、取締役会の課題を解決し実効性を高める取締役会評価は、現在多くの企業の関心を集めている。
今回は、 ジェイ・ユーラス・アイアール株式会社の高山与志子氏を講師にお迎えし、まだ日本ではよく理解されていない同評価について、ガバナンスにおける評価の意味、評価の目的、プロセス、評価の結果に対する取締役会の取り組み、評価の開示に対する投資家の評価等を、国内外の実例に基づき、具体的にご説明いただいた。

■講師略歴:
ジェイ・ユーラス・アイアール株式会社のコンサルティング部門の責任者として、取締役会評価、コーポレート・ガバナンスに関するコンサルティング、機関投資家の意識調査・分析、企業の資本市場での評価測定、TOB・プロクシーファイト関連支援等のIR活動に関するコンサルティングを行う。主要著書・論文として、『スチュワードシップとコーポレートガバナンス』(共著、東洋経済新報社)、「取締役会評価とコーポレート・ガバナンス ─形式から実効性の時代へ─」『商事法務』2043号(2014年9月15日)など多数。日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク理事(現任)。国際コーポレート・ガバナンス・ネットワーク(ICGN) 理事(2010年‐2015年)。東京大学経済学部卒業。エール大学経営大学院卒MBA取得。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士号取得(社会情報学)。

2015/09/01

【第63回月例勉強会】21世紀型企業とは ~カルビーのコーポレートガバナンス~

■講師:松本 晃 氏(カルビー株式会社 代表取締役会長 兼 CEO)

■講演内容:
少子化による国内需要の縮小や競争環境の激化で、業績が伸び悩んでいたスナック菓子最大手のカルビー株式会社が、経営のプロである松本晃氏を会長兼CEOとして招聘したのは2009年のことであった。それ以降、アジア・北米を中心とした積極的な海外展開や組織の効率化など、大胆な改革を実行した結果、同社は6期連続で増収増益を更新し、1%台であった営業利益率は今や10%を超える高収益企業へと変貌した。
今回は、15年に渡りトップを務めたジョンソン・エンド・ジョンソンから転身し、老舗企業カルビーをグローバルスタンダードへと近づけた松本晃氏をお迎えし、女性活用やガバナンスの強化、社内の意識改革をスピーディに実現した秘訣はどのようなものであったのか、グローバリゼーションの本質に基づいた独自の経営哲学をお話しいただいた。

■講師略歴:
1947年、京都府生まれ。1972年に京都大学農学部修士課程を修了後、伊藤忠商事株式会社に入社。同社の子会社であるセンチュリーメディカル株式会社の取締役営業本部長を経て、1993年にジョンソン・エンド・ジョンソンメディカル株式会社(現:ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社)に入社。代表取締役社長、最高顧問を歴任後、2009年6月にカルビー株式会社の代表取締役会長兼CEOに就任。現在は国立大学法人東北大学未来医工学治療開発センター客員教授、米国医療機器・IVD工業会(AMDD)顧問、京都府東京経済人会会長、地方独立行政法人長崎市立病院機構副理事長等も務める。

2015/07/17

【第62回月例勉強会】会社法改正後のガバナンス改革 ~グローバルスタンダードの実現に向けて~

■講師:碓井 茂樹 氏(FFR+代表、日本金融監査協会設立会員、日本銀行金融高度化センター企画役)

■講演内容:
昨年来、会社法改正、コーポレートガバナンス・コード原案の公表など、わが国のガバナンス改革が急ピッチで進み始めた。海外の金融機関では、金融危機を教訓にして、すでに取締役会、リスク管理機能、監査機能の改革を実現し、金融安定理事会(FSB)のテーマレビューでは高い評価を受けている。バーゼル銀行監督委員会(BCBS)では、欧米、アジアの金融機関の実践事例をもとに「銀行のコーポレート・ガバナンス諸原則」をまとめて公表した。今後、内外投資家、格付機関は、上記原則をグローバル・スタンダードとして、ガバナンス態勢を評価するようになる。このような流れを理解し効果的にガバナンス改革に取り組むことは、日本の金融機関のみならずグローバル事業を展開する日本企業にとっての必須の課題である。改正会社法・コーポレートガバナンス・コードへの形式的対応にとどまらず、自ら必要と考えるガバナンス改革をステップ・バイ・ステップで実現していくことが求められている。改革を実現するための具体的なステップについても考察する。

■講師略歴:
1983年京都大学経済学部卒業。日本銀行入行。金融機構局にて、実地考査、モニタリングに従事した後06年10月より現職。ガバナンス、リスクマネジメント、内部監査の高度化に係る実務の調査研究、金融機関の支援・サポート業務を担当。08年3月より金融監査実務、リスクマネジメント高度化に関する研究会(FIAP、FFR+)を主宰。11年3月日本金融監査協会(IFRA)を設立。京都大、一橋大、埼玉大、慶應大、東京経済大、千葉商科大、大阪経済大で客員教授・講師を務める。著書に『リスク計量化入門-VaRの理解と検証』、『内部監査入門』(いずれも共著、金融財政事情研究会刊)

お問い合わせ先

一般社団法人実践コーポレートガバナンス研究会

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