セミナー

2010年 月例勉強会

2010/12/02

【第11回月例勉強会】日本的コーポレートガバナンスの模索と海外投資家の期待~いま日本企業に求められているガバナンスとは何か

■講師:
岩間陽一郎氏(社団法人日本証券投資顧問業協会 会長)

■講演内容:
海外機関投資家にとって、独立社外取締役の有無など投資判断基準としてのコーポレートガバナンスの重要性は高まる一方です。企業価値の向上とガバナンス体制の構築を実現するためには、企業経営について投資家との充分なコミュニケーションを取ることが必要不可欠です。そこで今回は、経営者と投資家という両方の立場から、長年にわたり日本企業のガバナンスに関わり、海外との接点も多い岩間陽一郎氏にご登壇いただくこととなりました。日本の企業文化を尊重しながら、海外の機関投資家に対する説得力を高めるために、これからのガバナンスはどうあるべきか、ご意見を伺って参りたいと存じます。岩間氏は、海外の大手機関投資家からの委託を受け、日本企業との対話を行うことで、国内のガバナンスの向上にも貢献されました。これらの積極的な活動についてもお話を伺います。

■講師略歴:
1967年東京海上火災保険株式会社入社。1991年東京海上MC投資顧問株式会社代表取締役専務。1996年東京海上火災保険株式会社取締役投資部長。2005年東京海上日動火災保険株式会社専務取締役およびミレアホールディングズ株式会社取締役。2005年東京海上アセットマネジメント株式会社代表取締役社長。2010年社団法人日本証券投資顧問行協会会長(現職)。1967年東京大学法学部卒業。

2010/10/21

【第10回月例勉強会】M&Aにおける取締役の責任

■講師:
今井光氏(株式会社レコフ 前代表取締役社長)

■講演内容:
近年M&Aは日本企業の戦略的展開のための重要な手法として一般化してきており、法的な環境整備も整いつつあります。M&Aは企業経営における取締役の究極の経営判断であり、まさしく企業統治のあり方が問われます。しかしながら、M&Aが非日常的な経済行為であるが故に当事者である取締役が十分な経験と知識を備えていないと、不測のリスクを会社および株主にもたらす可能性があります。重大な過失と見落としがあれば善管注意義務違反を問われ、代表訴訟も免れなません。25年に及ぶ経験を持つM&Aの第一人者である今井光氏が、いくつかの具体的なM&Aの事例に沿って、取締役の責任のありかたを検証します。

■講師略歴:
約 25 年にわたり日系および外資系において投資銀行業務に従事し、M&A、企業金融、資金調達、事業再生、財務戦略などのアドバイスを内外の事業会社、金融法人に提供した。主なM&Aの実績として、みずほ銀行、UFJ銀行などの三行統合、日本たばこによるギャラハーの買収、UFJ銀行の三菱東京銀行との統合、アクサによる日本団体生命の買収などがある。 1974年~1985年 山一證券株式会社、1986年~1993年 モルガンスタンレー証券会社 1993 年~2005 年 メリルリンチ日本証券株式会社在職中副会長、投資銀行本部 会長。2007年~2010年 株式会社レコフ 在職中代表取締役社長。 1974 年 慶応大学経済学部卒業、1980年 米国コロンビア大学(MBA)卒業。

2010/09/28

【第9回月例勉強会】クラウドとコーポレートガバナンス

■講師:
吉丸成人氏(有限責任監査法人トーマツ エンタープライズリスクサービス部シニアマネジャー)

■講演内容:
最近、クラウドという言葉がIT業界や企業のIT部門を、まさに雲のように覆っています。このクラウド化の流れは、企業の立場から見れば、ITだけでなく資産の費用化つまり「所有から利用へ」という観点で考える必要があります。これは企業経営に重大なパラダイム・シフトを起こそうとしています。コーポレートガバナンスに係る取締役及び監査役も、クラウド化が企業経営に与える影響とリスクを十分に理解することは、変化へのチャレンジとそれに付随するリスク・マネジメントへの取り組みという広い意味でのコーポレートガバナンスを機能させるために必要不可欠です。 今回の勉強会では、この分野の専門家である有限責任監査法人トーマツの吉丸成人シニアマネジャーをお招きし、クラウドの基本的概念の説明と上記の問題点について議論を深めたいと思います。

■講師略歴:
外資系システム・ネットワークインテグレーターを経て、2004年から有限責任監査法人トーマツ。主にシステム、セキュリティー、BCPやクラウドコンピューティング等のシステムリスクや、地球温暖化対策、グリーンIT等、環境とITに関する助言とコンサルティングを行っている。公認内部監査人(CIA)、公認情報システム監査人(CISA)。

2010/08/24

【第8回月例勉強会】JCGRコーポレート・ガバナンス調査と日本企業の課題

■講師:
若杉敬明(東京経済大学 経営学部教授)

■講演内容:
日本コーポレート・ガバナンス研究所(JCGR)が過去8年間、毎年実施してきた独自基準による東証第一部上場企業のコーポレート・ガバナンス調査の結果とともに、若杉教授の社外取締役(リコー、日本水産)・社外監査役(JFEホールディングス、NTTドコモ)の経験を紹介することにより、日本のコーポレート・ガバナンスがどのように変化し、どのような課題を残しているかを考察します。また、最近話題になっている事例(トヨタ、セイコー、富士通など)が日本のコーポレート・ガバナンスに何を問いかけているかを論じます。

■講師略歴:
東京大学大学院経済学研究科修士課程を修了後、横浜市立大学商学部、東北大学経済学部、東京大学経済学部等を経て現在東京経済大学経営学部教授、東京大学名誉教授。1990 年よりミシガン大学ロスビジネススクールミツイライフ金融研究所理事、2002 年より日本コーポレート・ガバナンス研究所理事。現在、情報通信行政・郵政行政審議会委員(総務省)、財政制度等審議会財政投融資分科会臨時委員(財務省)、国民生活審議会委員(内閣府)。日本水産取締役、NTT ドコモ監査役など。 

2010/07/01

【第7回月例勉強会】コーポレートガバナンスの改善は企業価値向上に貢献するか?~「企業応援型投資家」から日本企業へのメッセージ

■講師:
中神康議氏(あすかコーポレイトアドバイザリー株式会社 代表取締役社長)

■講演内容:
物言う株主・アクティビストは、日本の企業風土に馴染みにくく、経営陣と敵対するイメージが定着しています。そのような中、長期的な視点から経営陣に向き合い、「働く株主」として成長戦略・ブランド戦略・海外展開等について提言することで企業価値を上げ、着実な実績を積み重ねて来たファンドがあります。それが今回の講師、中神氏が取り組む「バリューアップファンド」です。経営との対話を効果的に成立させる要因として、どのようにコーポレートガバナンス体制を確立するか、「改革意欲にあふれる経営者」をどう目利きするのか、豊富な投資経験と経営改善の実例を踏まえてお話しいただきます。

■講師略歴:
アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)を経て、1991年に国内初の独立系経営戦略コンサルティングファームである株式会社コーポレイト・ディレクション(CDI)に参画。2005年までの14年間CDIに在籍し、パートナーを最後に退職。2005年4月にあすかコーポレイトアドバイザリーを設立し現在に至る。慶應義塾大学経済学部卒。MBA (カリフォルニア大学バークレー校)。

お問い合わせ先

一般社団法人実践コーポレートガバナンス研究会

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