提言
2021/01/19
「内部監査の制度化」に関する再々提言
令和3年1月12日
一般社団法人実践コーポレートガバナンス研究会 理事会
代表理事 門多 丈
内部監査の制度化
第3のディフェンスラインである内部監査の強化は、不祥事に対する有力な打ち手の一つとして認識されるも扱いは任意監査であり、監査役等監査や外部会計監査に比べてその位置づけが制度的に十分に担保されていない。しかし近年増加傾向にある監査等委員会設置会社では内部統制システムに依拠する監査を前提に、当該委員会が自身の監査資源として内部監査部門へ指揮命令を行い、事実上組織監査として当該機能を制度監査に組み込んでいる。この運用は指名委員会等設置会社でも同様である。
一方上場企業の多数が選択する監査役会設置会社では、監査役会は経営者の職務執行の監査の一環として経営者の内部統制の整備・運用を監査する立場にあり、監査役会が内部監査部門を指揮命令することに抵抗が生ずる。結果、監査役会と内部監査部門の連携は情報共有レベルに留まり、監査役等監査の品質において他の二者と比べて異質となるリスクが生ずる。
ここでガバナンス3類型間の監査役等監査の品質の等価性を担保し、かつ内部監査に制度的位置づけを付与すべく以下の改訂を提言する。
<コーポレートガバナンス・コード改訂補充原則4-13③案>
上場会社において、監査委員会、監査等委員会及び監査役会は内部監査部門に対して、監査機能上の指揮命令権を確保すべきである。
上場会社は、第3のディフェンスラインとして内部監査部門を明示し、また統治機関において監督・監査責任を担う監査委員会、監査等委員会及び監査役会は内部監査に関する監査機能上の重要事項の意思決定に責任を持ち、その監査活動に対して適切に指揮命令を行うべきである。
ここで内部監査に関する監査機能上の重要事項とは、内部監査部門長の任免、内部監査規程の承認、内部監査計画の承認等を指す。
再々提言に際して
当研究会は平成30年1月に第一次コーポレートガバナンス・コード改訂プロセスに合わせて「内部監査の制度化」に関する提言を実施、改訂版への反映は見送られるも、同年12月に再提言を行うなど一貫した立場をとってきた。この間、アカデミアや経済界からもガバナンス機関と内部監査部門の関係性について、積極的な発言が目立つようになってきた。
更に現在進行中のコーポレートガバナンス・コードの再改訂プロセスを進めるフォローアップ会議においても、主要な残課題の一つとして「監査に対する信頼性の確保」が取り上げられている。特に平成31年4月に公表された同会議の意見書(4)にて、「内部監査が一定の独立性をもって有効に機能するよう独立社外取締役を含む取締役会・監査委員会や監査役会などに対しても直接報告が行われる仕組みの確立を促すことが重要である」と明示されたことは、当研究会の主張と軌を一つにするものとして心強い。
上記意見書では内部監査部門の報告先として、ガバナンス機関に監査役会も含まれるとの整理がなされ、本邦の一部に残る監査役会と内部監査部門の報告関係に関する議論に終止符を打つものとしても期待される。
ガバナンス機関における監査の信頼性を確保するためには、トップマネジメントを含む全ての監査対象からの独立性の確保と、高い専門性の維持が不可欠である。同時に、広がりを見せる監査スコープに対応するための適切な監査資源の確保も重要である。これらの諸条件を満たすためには、三様監査を従来の連携関係から監査役等によるリーダーシップのもと、監査機能上のプロフェッショナル・パートナーシップとして再定義することを新たに提唱したい。それはガバナンス機関における監査機能の高度化にも直接に資するものである。
その為にも三様監査中、唯一任意監査として残る内部監査をコーポレートガバナンス・コード等にて制度化し、ガバナンス機関における監査機能の一翼を担う重要機能として明示すべきである。具体的には三線モデルにおける位置付けを明確にすると同時に、所謂デュアルレポーティングラインを構築し、ガバナンス機関における監査役会等の監査機能との関係性を確固たるものにすることである。詳細は冒頭に再々掲した当研究会の提言を参照願いたい。
ガバナンス機関における監査機能の高度化を問う重要イベントとして、「監査上の主要な検討事項」(KAM: Key Audit Matters)が2020年4月1日開始事業年度より適用された。更に2022年4月に創設される東証のプライム市場では、時価総額や利益基準等の量的ハードルと共に、より厳しいガバナンス基準の適用という質的ハードルも設定される。後者を支える新改訂コーポレートガバナンス・コードには、前述のフォローアップ会議における残課題に対する解答が具体的に盛り込まれることを期待し、ここに当研究会の「内部監査の制度化」に関する提言を再々掲する。
以上
2020/03/05
東京大学未来ビジョン研究センターの政策提言に関する意見
東京大学未来ビジョン研究センターの政策提言に関する意見
2020年3月5日
一般社団法人実践コーポレートガバナンス研究会 理事会
代表理事 門多 丈
2019年12月に東京大学未来ビジョン研究センターより「日本企業における内部監査機能の強化に向けた政策提言」(以下同提言)が日本語および英語でWEB公開され、2月13日付で(一社)日本内部監査協会のホームページでも紹介されている。同提言は日本の内部監査機能の高度化という文脈において、内部監査人を20人以上擁し統合報告書を作成している49社をサンプルとする実証的研究を基に、今後内部監査機能が進むべき方向性としてTrusted Advisorを標榜し、三線防衛モデルの確立やガバナンス機関と経営執行に対する二重レポート・ラインの確保の重要性等について、懇切に説明している。
同提言は当研究会が先般のコーポレートガバナンス・コード改訂時にパブリック・コメントとして公表した「内部監査の制度化に関する提言」(下記参照)と関連性が高く、日本を代表するアカデミアからも積極的にオピニオンが表明される機運は歓迎したい。
しかし現場のガバナンス機関において日々経営執行を監視・監督する立場からみて、同提言における特に以下の2点については議論が必要である:
1.「攻めのガバナンス」と「守りのガバナンス」という類型化の是非
同提言では内部監査の使命ないし期待役割として、「価値の保全/コンプライアンス等の監査/守りのガバナンス」および「価値の向上・創造/業務の有効性・効率性監査、ビジネスモデルや経営戦略に係るリスク監査/攻めのガバナンス」という2類型を明示し、内部監査機能の高度化プロセスにおいて前者から後者をもカバーすべきとしている。
一般に新規事業進出等の「攻め」の場面における経営判断において、ガバナンス機関がまず考慮すべきは、固有リスクの高まりに応じて当該社のリスク許容度と残余リスクの兼ね合いを吟味し、統制力をどこまで高めるかというリスクマネジメントである。それは戦略推進による機会獲得とセットで議論されることが常である。「攻め」の局面においても固有リスクの一要素としてコンプライアンスリスクも当然高まることを我々は想定し、内部統制の見直しを進める。すなわち同提言の様にコンプライアンスリスクだけをとっても、それを「守り」の局面に限定することには難がある。
更に業務の有効性・効率性確保はCOSO内部統制の目的の一つであると同時に、トップラインの成長が十分に望めない中、イノベーション創出に苦闘する日本企業にとって、従前の業務プロセス改善を超えたオペレーショナル・エクセレンスとして、既存事業のスコープの中で収益を確保するための切り札でもある。また当該事項は内部統制システムの重要な構成要素の一つとして会社法施行規則第100条1項第3号においても掲げられ当然に監査役監査の対象であり、同提言が示唆する「攻め」のみにグルーピングしきれない。このことは後述する同提言における監査役(会)の役割の理解とも衝突する部分である。
ガバナンスの現場において「攻め」と「守り」は表裏一体・不可分であることは明白である。「攻めのガバナンス」という用語は、我が国の経済が長期デフレ状況から脱却するため、各企業が積極的にリスクを取りに行く経営姿勢に転換するための後押しとして国内で使うには極めて重宝ではあるが、その対語としての「守りのガバナンス」とともにグローバルで通用するかは検討が必要である。
2.ガバナンスの実務において監査役(会)の役割は限定的か否か
同提言は「内部監査部門の組織上の所属先をより上位のレベルに変え、IIAスタンダードに規定されているとおり、取締役会、監査委員会、監査等委員会へのfunctionalなレポート・ラインと社長へのadministrativeなレポート・ラインの二つのレポート・ラインを内部監査規程で定めるべき」とし、更に「監査役(会)へのレポート・ラインは望ましくないと考える(攻めのガバナンスにおける監査役(会)の役割が事実上限定的な点を踏まえると)」と結んでいる。
上述のとおり、ガバナンス機関の最前線において攻めと守りは不可分であり、例えば取締役会における攻めの議論において、監査役が排除されることはありえない。コーポレートガバナンス・コードの「原則4-4.監査役及び監査役会の役割・責務」においても、監査役及び監査役会がその役割・責務を十分に果たすためには、自らの守備範囲を過度に狭く捉えることは適切ではなく、能動的・積極的に権限を行使し、取締役会においてあるいは経営陣に対して適切に意見を述べるべきとし、限定条件の排除を推奨している。実際当該原則に対してほぼ全ての上場会社がコーポレートガバナンス報告書でコンプライを表明していることから、同提言は現状を反映しているとは言い難い。
我々が危惧するのは同提言の当該部分がメッセージとして、監査役会設置会社は他の2者(監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社)に比べガバナンス構造として不完全もしくは劣後するとの印象を与えかねないことである。
我が国の取締役会の過半が未だマネジメント・ボードとしての性格を残しているが故、監査役会による取締役会および経営陣に対する監視・監督機能への期待は依然として強い。その結果として上場会社の7割強が監査役会設置会社を選択し、様々な工夫を凝らしてガバナンス機関の実効性確保に努力している。この現状を鑑み、我々は監査等委員会および監査委員会のみならず、監査役(会)と内部監査部門間のレポート・ライン確保の合理性を再度強調したい。
今後時間軸の中でモニタリング・ボードへの移行は順次進むだろうが、そのプロセスにおいて監査役会を含むガバナンス機関と内部監査機能の関係性はより緊密となり、かつそれぞれの機能は高度化されるべきである。そのためには各団体や個人が個別に情報発信するだけでなく、例えば日本監査役協会と日本内部監査協会による共同研究や、経営者団体、アカデミアおよびガバナンスの実践団体(例えば当研究会)を交えての議論を具体的に進めるべきである。
2018/12/18
「内部監査の制度化」に関する再提言
日本のコーポレートガバナンス改革は「コーポレートガバナンス・コード」「スチュワードシップ・コード」を指針として継続的に進められています。昨年のコーポレートガバナンス・コード改訂、「対話のガイドライン」制定後も、さらなる改革に向けて金融庁の「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」での議論が開始されています。
当研究会ではコーポレートガバナンス・コードにおいて内部監査制度の位置づけをより明確にするよう、平成30年1月9日、「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」事務局に提出しましたが、現状を反映した形で再提言としてまとめました。
「内部監査の制度化」に関する再提言
一般社団法人実践コーポレートガバナンス研究会 理事会
代表理事 門多 丈
本年4月、当研究会はコーポレートガバナンス・コード(以下CGコード)の改訂に伴い掲題の提案をパブリックコメントとして提出した。結果、コード本体の当該条項(補充原則4-13③)への反映は見送られるも、本年6月に公表された「投資家と企業の対話ガイドライン」において監査役と内部監査部門の適切な連携の必要性につき言及されるなど、理解の進捗が見られた。
現在ほぼ全ての上場企業が完全コンプライを目指すほど、CGコードは定着している。一方本年も著名メーカー各社の品質不正、有力地銀の不正融資、グローバル企業集団の不透明なトップマネジメントの報酬開示等、コーポレートガバナンス関連の課題は頻出している。この状況を看過することはCGコードの形骸化に繋がり、コードの実効性確保のためには更なる議論の継続が必要と考える。
当研究会は一連の不祥事の根本原因の一つとして、トップマネジメントの影響下にある第1および第2ディフェンスラインの有効性に問題があること、また特に監査役会設置会社において、左記の2機能に対峙すべき第3ディフェンスラインたる内部監査部門のトップマネジメントからの独立性が、制度的にいまだ未確立であることに引き続き警鐘を鳴らしたい。
コーポレートガバナンスの現場においては、上場企業の4社に1社が監査等委員会設置会社に移行し、著名企業を含む各社がその制度的メリットに注目している。例えば日本弁護士連合会は「社外取締役ガイドライン、2015年3月改訂」において、監査等委員会による内部監査部門を含む内部監査システムを活用した組織的監査を推奨、同委員会の内部監査部門に対する直接的な指示を可能とし、従前の監査役(会)と内部監査部門の間接的な関係性との差異を示唆している。
また経済同友会はさらに踏み込んで「社外取締役の機能強化、2018年5月」において、内部監査部門長の人事や評価は、監査の職務を行う会社法上の機関(監査役(会)、監査等委員会、監査委員会)にも同意をとるべきとし、ガバナンス機関設計上の非対称性の縮減を提唱している。
これらの状況を鑑み、当研究会は本年4月の提言内容が今だに本邦のコーポレートガバンスの高度化に有益と考え、以下その内容を再掲する:
内部監査の制度化
第3のディフェンスラインである内部監査の強化は、不祥事に対する有力な打ち手の一つとして認識されるも扱いは任意監査であり、監査役等監査や外部会計監査に比べてその位置づけが制度的に十分に担保されていない。しかし近年増加傾向にある監査等委員会設置会社では内部統制システムに依拠する監査を前提に、当該委員会が自身の監査資源として内部監査部門へ指揮命令を行い、事実上組織監査として当該機能を制度監査に組み込んでいる。この運用は指名委員会等設置会社でも同様である。
一方上場企業の多数が選択する監査役会設置会社では、監査役会は経営者の職務執行の監査の一環として経営者の内部統制の整備・運用を監査する立場にあり、監査役会が内部監査部門を指揮命令することに抵抗が生ずる。結果、監査役会と内部監査部門の連携は情報共有レベルに留まり、監査役等監査の品質において他の二者と比べて異質となるリスクが生ずる。
ここでガバナンス3類型間の監査役等監査の品質の等価性を担保し、かつ内部監査に制度的位置づけを付与すべく以下の改訂を提言する。
<改訂補充原則4-13③案>
上場会社において、監査委員会、監査等委員会及び監査役会は内部監査部門に対して、監査機能上の指揮命令権を確保すべきである。
上場会社は、第3のディフェンスラインとして内部監査部門を明示し、また統治機関において監督・監査責任を担う監査委員会、監査等委員会及び監査役会は内部監査に関する監査機能上の重要事項の意思決定に責任を持ち、その監査活動に対して適切に指揮命令を行うべきである。
ここで内部監査に関する監査機能上の重要事項とは、内部監査部門長の任免、内部監査規程の承認、内部監査計画の承認等を指す。
2018/01/12
「内部監査の制度化」に関する提言書を提出しました
「内部監査の制度化」に関する提言
一般社団法人実践コーポレートガバナンス研究会 理事会
代表理事 門多 丈
本提言は、現在進行中の「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」と平成29年度金融行政方針に基づく「機関投資家と企業の対話についてのガイドライン」作成に関するものである。
最近の企業不祥事の頻発もあり、「コーポレートガバナンス・コードのレビューと対話についてのガイドライン」の項目として、内部監査の位置づけの明確化と機能の充実を期することを目的とする。
2.第3のディフェンスラインとしての内部監査
改正会社法、コーポレートガバナンンス・コード(以下CGコード)、スチュワードシップ・コード等、わが国のコーポレートガバナンスの枠組みは近年加速度的に整備されてきた。しかし足元では相変わらず著名企業による不祥事が頻発している。その度に再発防止策の有力な打ち手の一つとして内部監査機能の強化が取りざたされている。
内部統制のグローバル標準である新COSOは内部監査に対して、トップマネジメントが主催する執行系列と同時に、取締役会等統治機関による監督・監査系列からの2系統の指揮命令権限を明示し、当該組織・機能を第3のディフェンスラインとして位置付けている。このことは、内部監査は社内組織であると同時に、統治機関を通して外部ステークホルダーに対しても説明責任を有する公益的機能であることを示唆する。
従前より内部監査は監査役等監査や外部会計監査とともに三様監査の一角を占め、コーポレートガバナンスの向上に資するものと認識されてきた。しかし監査役等監査や外部会計監査は会社法により公益性が担保され、制度監査として位置付けられているのに対して、内部監査は依然として個社ごとの任意監査のままにある。
わが国の内部監査は歴史的に社長直下の任意組織として発達し、専ら社業発展(社益)のために奉仕する機能役割が期待されてきた。従って社益と公益が対立する場面において、その選択は内部監査人個々人の倫理観に委ねられ、孤立化を招く。
この事態を収拾するためには、まずソフトローであるCGコードにおいて内部監査の公益的性格を明示し、第3のディフェンスラインとして位置付け、制度化への道筋をつけるべきと思料する。
3.ガバナンス機関設計と内部監査
改正会社法はガバナンスの有効性は等価であるという前提のもと、個社ごとの情況に応じて、3類型の機関設計を選択可能とする。CGコード原則4-10.においても会社の特性に応じて最も適切な形態を採用するとともに、任意の仕組みを活用することを推奨している。具体的には監査等委員会型や監査役会型では任意の諮問機関として指名・報酬委員会を設置し、指名委員会等型への漸近を図る例は多い。また常勤職を必置としない指名委員会型や監査等委員会型でも、常勤の監査委員や監査等委員を任意で設置し、常勤監査役が有する継続的モニタリングの職能を取り込もうという動きがみられる。
指名委員会等型および監査等委員会型ではそれぞれの委員会監査において、内部統制システムへの依拠を可能としている。すなわち監査委員および監査等委員は取締役として内部統制システムの構築・運用に対して直接に責任を有し、その文脈において内部統制システムの重要要素である内部監査に対する指揮命令権を確保することに合理性を見出す。結果、監査委員会監査及び監査等委員会監査では、内部監査を自らの監査資源として活用し監査品質の確保を可能とする。
一方監査役会型において監査役会は内部統制システムの独立評価者として位置付けられる。そのため内部監査の公益性を論ずる以前に、監査役会が当該部門に対する指揮命令権を有すこと自体に抵抗が生ずる。このことは監査資源の質・量において監査役監査が、任意の常勤職を設置し更に内部監査に指揮命令権を有する監査委員会監査や監査等委員会監査に対して劣後し、3類型間の等価性を棄損するリスク要因となり得る。
この状況を打開するため、監査役会も監査委員会及び監査等委員会とともに内部監査に対して一定以上の責任を有することによりその公益性を確保すると同時に、それぞれの監査品質の向上を期するよう、CGコードにてガイダンスすべきと思料する。
4.結論
現行CGコードの改定と実務指針としてのガイダンスを加筆することを提言したい:
<現行補充原則4-13③>
上場会社は、内部監査部門と取締役・監査役との連携を確保すべきである。
<改定補充原則4-13③案>
上場会社において、監査委員会、監査等委員会及び監査役会は内部監査部門に対して、監査機能上の指揮命令権を確保すべきである。
<ガイダンス案>
上場会社は内部監査部門の公益性を確保するため、第3のディフェンスラインとして当該部門を明示し、また統治機関において監督・監査責任を担う監査委員会、監査等委員会及び監査役会は内部監査に関する監査機能上の重要事項の意思決定に責任を持ち、その監査活動に対して適切に指揮命令を行うべきである。
ここで内部監査に関する監査機能上の重要事項とは、内部監査部門長の任免、内部監査規程の承認、内部監査計画の承認等を指す。
2015/01/21
「コーポレートガバナンス・コード原案」に対するパブリックコメントを提出しました
代表理事 門多 丈
- 原則3-1「情報開示の充実」で開示の内容として、経営戦略、コーポレートガバナンスについての基本的な考え方と基本方針、経営幹部・取締役の指名、報酬についての方針と手続き、個々の取締役・監査役の選任・指名についての説明を規定したこと
- 基本原則4で取締役の役割・責務の一つとして「企業戦略等の大きな方向性を示すこと」と明記したこと
- 原則4-4などで監査役・監査役会の役割、責務を盛り込んだこと(補充原則では社外取締役との連携も協調)
- 原則4-7、8、9で独立社外取締役の役割、責務、活用、要求される資質を明記したこと。特に8で「独立取締役を2名以上選出すべきである」としたこと
- 原則4-11で取締役会全体としての実効性に関する分析・評価を行うことにより、その機能の向上図るべきことを明記したこと
- 原則4-14で取締役・監査役のトレーニング方針策定と実施を規定したこと
- 原則5でスチュワードシップ・コードに基づく株主との対話の重要性をうたったこと
1. 「コンプライ・オア・エクスプレイン」の原則について
- 会社の目指すところ(経営理念)や経営戦略、経営計画
- 独立社外取締役2名以上の設置について
- 独立社外取締役の基準及び資質
- 取締役会全体としての実効性に関する分析・評価についての説明(「行っています」だけで終わらすことはあまり意味がない)
- 原則4-10の「任意の仕組みの活用」について説明する(ベスト・プラクティスの共有ができる)

