セミナー

2024年 月例勉強会

2024/09/10

今後の勉強会スケジュール

丸の内会場での対面セミナーに加え、オンラインでのライブ配信・後日の録画配信も実施しております。

【第156回】2024年10月16日(水)15:00~16:30
■ 題目:株主総会と取締役会の連続性 ~監査等委員と事務局長から見た課題と展望
■ 講師:永池正孝氏(前 株式会社バンダイナムコホールディングス 取締役 監査等委員/前 東京株式懇話会 会長)

>> 過去の勉強会活動実績の一覧は、下記リンクよりご覧いただけます。

2024/07/29

【第154回月例勉強会】公益通報者保護制度の改正に向けた取り組み ~企業不正の歯止めとなる内部通報制度~

■講師:山口 利昭 氏(山口利昭弁護士事務所 代表)

■講演内容:
昨年発覚した自動車部品メーカーの品質不正事案やビッグモーター事案、会社経費で女性との不適切関係を続けていた光学機器メーカーの社長が辞任に追い込まれた事案など、相変わらず内部通報や内部告発が重大不正発覚の端緒となるケースが多い。一方で、正しく通報をした社員が社内で不利益を受けて精神的に追い込まれるような事案も後を絶たない。不祥事の予防やネガティブ・インパクトの拡大を防ぐ意味においても、取締役や監査役は内部通報制度が整備され通報者の保護を含め正しく運営されているかどうかを監督・監査する義務がある。消費者庁は、公益通報者保護制度が企業コンプライアンスに果たす役割の重要性や従業員の人権保護の必要性から、令和7年の通常国会に現行の公益通報者保護法の改正案を提出すべく、検討会での急ピッチな審議を続けている。今回のセミナーでは、内部告発代理人として、また企業側の危機対応アドバイザーとして日頃から公益通報実務に携わり、また消費者庁公益通報者保護制度検討会のメンバーでもある山口利昭弁護士にご登壇をいただいた。実務に関わるお立場から、内部通報制度の運用における現状と、公益通報者保護法改正の方向性について詳しく解説いただいた。

■ 講師略歴:
平成2年弁護士登録。企業の有事対応支援、不正調査、コンプライアンス経営支援、コーポレートガバナンス態勢支援等を主たる業務とする。平成16年以降、様々な企業の社外役員を務め、現在はりそな銀行社外取締役。著書は「不正リスク管理・有事対応-経営戦略に活かすリスクマネジメント」「企業の価値を向上させる-実効的な内部通報制度」等多数。
◎ブログ「ビジネス法務の部屋」http://yamaguchi-law-office.way-nifty.com/

2024/06/27

【第153回月例勉強会】監査役の矜持 ~曲突徙薪に恩沢なく~

■講師:岡田 譲治 氏(一般社団法人日本公認不正検査士協会 理事長)

■講演内容:
不祥事が起こるたびに監査役の権限が強化されてきた。しかしそれでも不正・不祥事はなくならなかった。監査役が事前に警告をしてもうるさがられ無視されてしまうこともあるが、不祥事が起きても自分には知らせてくれるな、という監査役も現実には存在する。監査役の人事権は執行に握られ、社長の部下同様の監査役もいる。これでは監査役に多くを期待できない。「曲突徙薪に恩沢なく」という故事は、リスクを事前に指摘する人よりも火災などが起こってから頭を焦がして消火にあたった人の方が評価されるというものだ。たとえ評価されなくとも、見返りがなくとも、事故や不祥事のリスクがあると考えたら臆せず警告を発するべきである。それが矜持であり、まさに「監査役の役割」を彷彿とさせる物語ではないだろうか。今回の講師・岡田譲治氏は、日本監査役協会の会長に就任後、志の高い方々に励ましを受けてきたという。金融庁のさまざまな会議に参加し、思いを発表する場を得て、僅かではあったが変化が起きてきた。コーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議において「監査役等がガバナンスの要」と信じて発言をされたことをきっかけに、世にあまたある「監査役とは」などの入門書ではなく、生きた経験を伝えるべく『監査役の矜持~曲突徙薪に恩沢なく~』を出版された。今回ご講演をいただいた監査役の役割や責任、心構えは、監査役だけではなく、社外取締役にも共通するものである。

■ 講師略歴:
1951年10月10日生。1974年3月横浜国立大学卒業、同年4月三井物産株式会社入社。2014年4月同社代表取締役副社長執行役員CFO、2015年6月同社常勤監査役(2019年6月退任)、2017年11月公益社団法人日本監査役協会会長(2019年11月退任)。2023年6月一般社団法人日本公認不正検査士協会理事長。太陽有限責任監査法人経営評議会委員(2019年10月~)、日本航空株式会社社外監査役(2020年6月~)、金融庁スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議メンバー(2020年10月)、日本取引所自主規制法人外部理事(2020年10月~)、日本電気株式会社社外取締役(2023年6月~)。これまでに、IFRS財団評議員、金融庁企業会計審議会委員、文部科学省学校法人ガバナンス改革会議委員、財務会計基準機構評議員、日本証券業協会自主規制会議副議長・公益委員、横浜国立大学理事などを歴任。

2024/05/21

【第152回月例勉強会】変わりゆく資本主義社会と上場企業のあり方を考察する ~持続可能な社会の構築のために我々は何をすべきなのか?~

■講師:清水 大吾 氏(みずほ証券株式会社 グローバル投資銀行部門 サステナビリティ推進部 サステナビリティ・エバンジェリスト)

■講演内容:
資本主義の弊害により社会の持続可能性が著しく棄損する現代社会において、我々ひとりひとりが「資本主義をどう使いこなすか」ということが問われている。これは言わば、「我々はどう生きるのか?」を自分自身に問い直すことでもあろう。このように社会の価値観が変わり資本主義も変化していく中で、当然のことながら上場企業に対する社会的要請も変わってくる。上場企業が社会から必要とされ続けるためには、社会の価値観の変化に対して高くアンテナを張り、是々非々で変化を遂げるためのコーポレートガバナンスの向上が重要となってくるはずだ。今回のセミナーでは、昨年秋に『資本主義の中心で、資本主義を変える』を出版された清水大吾氏を講師としてお迎えし、お話を伺うこととなった。講師は20年以上もの間、外資系証券会社のフロント部門でトレーダー、金融商品開発、営業部長を歴任し、目の前の収益が絶対的な力を持つ環境に置かれながらも持続可能な社会の構築のために奮闘してきた。残念ながら力及ばず16年間務めたゴールドマン・サックスを去ることになったが、「資本主義の中で闘い続けなければ資本主義を変えることは出来ない」と考え、今春よりみずほ証券にて「サステナビリティ・エバンジェリスト」という肩書きで活動を再開した。強大な資本主義の流れに翻弄されながらも、社会の持続可能性向上のために現実的な一手を打ち続ける清水氏の取り組みを通し、参加者の皆様と問題意識を共有する機会となった。

■ 講師略歴:
1975年、愛媛県西宇和郡伊方町生まれ。2001年に京都大学大学院を卒業し、日興ソロモン・スミス・バーニー証券(現シティグループ証券)に入社。2007年にゴールドマン・サックス証券に入社し、2016年からグローバル・マーケッツ部門株式営業本部業務推進部長(SDGs/ESG担当)。社会の持続可能性を高めるためには資本主義の流れを変える必要があると考え、社会の価値観そのものを変えるべく啓発活動を推進。2023年6月に同社を退職し、同年9月に「資本主義の中心で、資本主義を変える」を出版。2024年2月より、みずほ証券サステナビリティ推進部において「サステナビリティ・エバンジェリスト」として活動を開始。

2024/04/17

【第151回月例勉強会】なぜ不祥事防止対策が失敗するのか ~数値偽装事件を防止するための提言~

■講師:樋口 晴彦 氏(警察庁人事総合研究官兼警察大学校付/危機管理システム研究学会理事)

■講演内容:
「品質管理の優等生」と言われるトヨタグループにおいて、日野自動車に続き、ダイハツ、豊田自動織機でも数値偽装事件が発覚したことは、日本経済界に大きな衝撃を与えました。もはや一部の企業だけの問題ではなく、全ての日本企業がこのリスクに直面しているという意識を持たなくてはいけません。さらに言えば、この不祥事が浮上してから既に10年が経過し、2017年には経団連が企業トップによる対処を要請しているにもかかわらず、依然として数値偽装事件が相次いでいることも重大な問題です。これまで実施してきた不祥事防止対策が果たして機能しているのか、改めて見直しを行う必要があります。そこで今回は、不祥事研究の第一人者である警察大学校の樋口晴彦博士をお招きして「なぜ不祥事防止対策が失敗するのか」 と題する勉強会を開催しました。

■ 講師略歴:
1961年広島県生まれ。1984年に東京大学経済学部卒業後、警察庁へ。愛知県警察本部警備部長、四国管区警察局首席監察官のほか、外務省情報調査局、内閣官房内閣安全保障室に出向。オウム真理教事件、ペルー大使公邸人質事件、東海大水害対策などの危機管理に従事。1994年にフルブライト奨学生としてダートマス大学ビジネススクールでMBA、2012年に千葉商科大学大学院政策研究科で博士(政策研究)を取得。警察大学校警察政策研究センター主任教授を長年務めた後、現在は警察庁人事総合研究官兼警察大学校付。企業不祥事の分析を通じて組織が失敗する原因メカニズムを研究。危機管理システム研究学会理事。著書に『組織の失敗学』中央労働災害防止協会(中災防新書)2012、『組織不祥事研究 組織不祥事を引き起こす潜在的原因の解明』白桃書房 2012、『なぜ、企業は不祥事を繰り返すのか 有名事件13の原因メカニズムに迫る』日刊工業新聞社2015、『続・なぜ、企業は不祥事を繰り返すのか 重大事件から学ぶ失敗の教訓』日刊工業新聞社2017、東芝不正会計事件の研究 不正を正当化する心理と組織』白桃書房 2017 など多数。

お問い合わせ先

一般社団法人実践コーポレートガバナンス研究会

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