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2012/03/26

会社法改正試案に対する視点(安田正敏):フジサンケイビジネスアイ 

コーポレートガバナンス(企業統治)の有効性は会社の機関設計のあり方だけでなく、そこで行動する人間の価値観や考え方に大きく依存している。変わりつつあるとはいえ、多くの日本企業では依然として終身雇用や年功序列を背景とした企業文化が残っており、この中で育った経営幹部の価値観や考え方がその行動に大きな影響を与えている。それはそれで日本の文化であり、そのような価値観や考え方が日本企業を成長させた大きな要因であったという考え方もあろう。
しかし、日本企業が世界の市場に進出し、異なる文化の人々を雇用し、異なる国々の人々の株式投資を受け入れるようになった現在、日本固有の企業文化に依存したガバナンスの在り方は見直さざるを得ないという状況が、現在、会社法の改正が議論されている背景にあることを認識すべきである。

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一般社団法人実践コーポレートガバナンス研究会

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