セミナー

2024年 月例勉強会

2024/12/23

【第158回月例勉強会】社外取締役の役割と課題 ~ひとりの社外取締役として考えたこと・実践したこと~

■講師:岩田 喜美枝 氏(味の素株式会社 社外取締役・取締役会議長/株式会社りそなホールディングス 社外取締役・指名委員会委員長)

■講演内容:

2024年の最後を締めくくる今回のセミナーは、女性リーダーお二人による対談形式で開催いたしました。
講師の岩田喜美枝氏は、株式会社資生堂で取締役代表執行役員副社長を務められた後、2012年以降、上場企業5社の社外取締役を歴任してこられました。この十数年間、我が国のコーポレートガバナンス改革の進展の中で、ひとりの社外取締役として、さらには取締役議長として考えてこられたことや、実践されたことをお話しいただくこととなりました。今回は、同様に複数の社外取締役を経験している当研究会の中島好美理事がインタビュアーとして登場、対談の中で社外取締役や取締役会をめぐる議論を深めました。当日の対談では下記のトピックスを取り上げました。

【Session 1】取締役会の実効性の向上
取締役会の役割とは/実効性を高めるための課題/取締役会では何を議論すべきか
【Session 2】社外取締役の役割
社外取締役の役割とは/社外取締役として心がけていること/社内取締役に対する注文
【Session 3】取締役会議長の役割
取締役会議長の役割とは/社外取締役が議長を務めることについて/取締役議長として心がけていること
【Session 4】取締役会の多様性
取締役会のダイバーシティはなぜ必要か/スキルマトリックスについて/女性の取締役を増やすためには

■ 講師略歴:
1971年に労働省に入省。女性労働問題や国際労働問題(ILO日本政府代表など)を担当し、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長を最後に03年退官。2003年 株式会社資生堂常勤顧問として入社。その後、取締役執行役員、取締役常務を経て2008年~2012年取締役代表執行役員副社長に就任。キリンホールディングス株式会社社外監査役・社外取締役(~2019年)、日本航空株式会社社外取締役(~2018年)、住友商事社外取締役(~2024年)。【大学・非営利団体】東京大学経営協議会委員(~2023年)、公益財団法人21世紀職業財団会長(~2018年)、津田塾会理事(~2021年)。【公職】男女共同参画会議議員(~2017年)、神奈川県男女共同参画審議会会長(~2024年)、東京都監査委員(~2023年)。現在の主な役職は、味の素 社外取締役/取締役会議長、りそなホールディングス 社外取締役/指名委員会委員長、新潟大学経営協議会 委員、新生東京女子医科大学のために諮問委員会委員長など。

2024/11/15

【第157回月例勉強会】コーポレートガバナンス改革に着目した日本株投資 ~取締役会の多様性を重視したガバナンス評価の手法~

■講師:カーン・ズヘール 氏(UBPインベストメンツ株式会社 運用本部 マネージングディレクター 兼 シニア・ファンド・マネージャー)

■講演内容:
コーポレートガバナンス・コード導入から約10年が経過し、ガバナンスの優劣が個別企業の業績や株価に影響を与えることが明らかになってきました。今回のセミナーでは、長年にわたり日本株に携わり、日本企業のガバナンス改革の変容を投資家の視点で捉え続けてきたカーン・ズヘール氏にご登壇いただきます。スイスの資産運用会社の日本拠点において日本株ロング・ショート戦略のファンドを運用する同氏は、日本の上場企業の上位500社を対象に、ガバナンスを評価しランキング付けする手法を確立されました。これは、特に取締役会の構造に注目し、株主との連携、力や経歴とス社外取締役の影響キルの多様性などを細かく分析して数値化するもので、その結果は企業の業績と強く相関しており、株価動向の予測や投資判断に活用し、成果を上げています。
また同氏は、積極的にガバナンス改革への行動を起こしている日本企業はわずか20%程度であり、半数の企業が他社の後追いで受け身であることを指摘しています。今後もガバナンスに注目した日本株投資の増加が想定される中、取締役会の構成や機能の改善を推進するために、我々はどう考え行動するべきか、皆様と議論しました。

■ 講師略歴:
1968年、パキスタン生まれ。1991年ペンシルベニア大学からエンジニアリングスクールとウォートンスクールの両方を成績優秀で卒業、1995年マサチューセッツ工科大学スローン経営学部でMBAを取得、2000年米国CFA協会認定証券アナリスト。1995年東京三菱銀行の国際審査部でキャリアをスタート。1997年より香港とバンコクで銀行アナリストとして証券会社で勤務。2001年から2011年まで、東京とシンガポールのシティグループ、UBSアセットマネジメントなど大手金融機関でアナリスト、リサーチ部長、株式部長、CIOとして勤務。2012年から2014年まで、カナダのAIベンチャー企業のCFO兼取締役を務めた。2015年にジェフリーズ証券の調査部長兼日本株ストラテジストに就任し、コーポレートガバナンス改革を戦略研究の中心に据えた。2019年からUBPインベストメンツに所属し、コーポレートガバナンスを銘柄選択基準とするロングショートヘッジファンドを運用している。

2024/10/16

【第156回月例勉強会】株主総会と取締役会の連続性 ~監査等委員と事務局長から見た課題と展望

■講師:永池 正孝 氏(前 株式会社バンダイナムコホールディングス  取締役 監査等委員/前 全国株懇連合会 理事長/前 東京株式懇話会 会長)

■講演内容:
平成から令和にかけて、株主総会におけるDX化が加速的に進んだ。株主総会の招集手続きでは、従来は紙で提供されていた事業報告や議案の賛否を判断する参考書類等が電子的に提供されるようになり、株主総会自体もリアルな会場を確保しないでも開催できるバーチャル総会が可能となる法改正がなされた。また、株主総会における質問者の数も年々増加しており、今年の6月総会において株主提案があった企業は91社となり3年連続で過去最多を更新した。
一方、時代の変遷とともに取締役会も変化し、質的な変容を遂げてきている。コーポレートガバナンス・コードの改訂によって、プライム市場では独立社外取締役を3分の1以上(プライム以外の市場では2名以上)選任すべきであるとされるなど、コーポレートガバナンスに関連する改革が進んでおり、取締役会においては、社外取締役が忌憚のない意見を積極的に発言するなど、従来の予定調和的な進行ではなくなってきている。
今回のセミナーでは、このような大きな変容を遂げてきている株主総会、取締役会の現状を踏まえ、それぞれの課題や対策、社外取締役・社外監査役の役割等について、講師ご自身の経験をもとにお話を伺った。

■ 講師略歴:
1959年5月15日生。中央大学法学部卒業。株式会社ナムコに入社後は企業法務、契約法務、コンプライアンス・リスク管理の統括業務を行う総務・コンプライアンスグループリーダー(部長)を務める。株式会社バンダイナムコホールディングス設立後は、同社において引き続きグループの法務・総務の統括業務を行う、総務・法務部ゼネラルマネージャー、企業法務室長等を歴任。また、子会社 株式会社バンダイ及び株式会社バンダイロジパルの非常勤取締役を務める。2018年6月に株式会社バンダイナムコホールディングスの常勤監査役(監査役会議長)に就任し、同社の監査等委員会設置会社への移行にともない、取締役監査等委員(監査等委員会議長)に就任する。公的活動としては、上場会社の株式・株主総会運営実務を牽引する全国株懇連合会理事長及び東京株式懇話会会長を務め、また、経済産業省の「株主総会のあり方検討分科会」、「株主総会プロセスの電子化促進等に関する研究会」等の委員を務める。

2024/09/09

【第155回月例勉強会】コーポレートガバナンス改革の実践とディスクロージャー制度改正の交錯

■講師:清原 健 氏(清原国際法律事務所 代表 弁護士・ニューヨーク州弁護士)

■講演内容:
2015年のコーポレートガバナンス・コードの策定後、2018年と2021年の改訂を経て形式的な体制整備の段階から、その施策は実質化に向けた課題への取り組みに重点が移行してきました。2023年4月に策定された「コーポレートガバナンス改革の実質化に向けたアクション・プログラム」では、資本コストを踏まえた収益性と成長性を意識した経営、サステナビリティを意識した経営や、企業と投資家との対話の基礎となる情報開示の充実などの課題への対応策の提示とともに、企業と投資家の双方における自律的な意識改革による改革の実質化を促す方向性が示されました。
この流れを受けて、2024年6月には意見書「コーポレートガバナンス改革の実践に向けたアクション・プログラム2024」が策定され、スチュワードシップ活動の実質化、取締役会等の実効性向上、収益性と成長性を意識した経営といったテーマと並んで、情報開示の充実及びグローバル投資家との対話促進、サステナビリティを意識した経営といったテーマごとに、課題と今後の方向性が提示されました。このようなコーポレートガバナンス改革の進展と並行して、近年、有価証券報告書における非財務情報・記述情報の開示の充実に向けた制度改正が大きく進み、特に2023年3月期から、サステナビリティ情報の開示が制度化されるとともに、コーポレートガバナンスの状況の開示の拡充が図られました。そこで、本セミナーでは、コーポレートガバナンス改革の実践とディスクロージャー制度との関わりという切り口から、近時のディスクロージャー制度の改正や実務の動向とガバナンス改革の連動性について、現在の課題と取締役・監査役等の役割とともに検討しました。

■ 講師略歴:
1992年 弁護士登録(第一東京弁護士会)、2001年 京橋インターナショナル法律事務所 設立(米国 Latham & Watkinsとの特定共同事業(当時)、2003年 アシャースト東京法律事務所 パートナー(英国 Ashurstとの外国法共同事業)、2007年 ジョーンズ・デイ法律事務所パートナー(米国Jones Dayとの外国法共同事業)、2010年 東日本高速道路株式会社 社外監査役、2016年 清原国際法律事務所を設立し代表に就任。金融審議会「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」メンバー(現任)、監査監督機関国際フォーラム(IFIAR)の Investor and Other Stakeholders Working Group (IOSWG) のAdvisory Groupメンバー(現任)などを務める。

2024/07/29

【第154回月例勉強会】公益通報者保護制度の改正に向けた取り組み ~企業不正の歯止めとなる内部通報制度~

■講師:山口 利昭 氏(山口利昭弁護士事務所 代表)

■講演内容:
昨年発覚した自動車部品メーカーの品質不正事案やビッグモーター事案、会社経費で女性との不適切関係を続けていた光学機器メーカーの社長が辞任に追い込まれた事案など、相変わらず内部通報や内部告発が重大不正発覚の端緒となるケースが多い。一方で、正しく通報をした社員が社内で不利益を受けて精神的に追い込まれるような事案も後を絶たない。不祥事の予防やネガティブ・インパクトの拡大を防ぐ意味においても、取締役や監査役は内部通報制度が整備され通報者の保護を含め正しく運営されているかどうかを監督・監査する義務がある。消費者庁は、公益通報者保護制度が企業コンプライアンスに果たす役割の重要性や従業員の人権保護の必要性から、令和7年の通常国会に現行の公益通報者保護法の改正案を提出すべく、検討会での急ピッチな審議を続けている。今回のセミナーでは、内部告発代理人として、また企業側の危機対応アドバイザーとして日頃から公益通報実務に携わり、また消費者庁公益通報者保護制度検討会のメンバーでもある山口利昭弁護士にご登壇をいただいた。実務に関わるお立場から、内部通報制度の運用における現状と、公益通報者保護法改正の方向性について詳しく解説いただいた。

■ 講師略歴:
平成2年弁護士登録。企業の有事対応支援、不正調査、コンプライアンス経営支援、コーポレートガバナンス態勢支援等を主たる業務とする。平成16年以降、様々な企業の社外役員を務め、現在はりそな銀行社外取締役。著書は「不正リスク管理・有事対応-経営戦略に活かすリスクマネジメント」「企業の価値を向上させる-実効的な内部通報制度」等多数。
◎ブログ「ビジネス法務の部屋」http://yamaguchi-law-office.way-nifty.com/

お問い合わせ先

一般社団法人実践コーポレートガバナンス研究会

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