セミナー

2023年 月例勉強会

2023/03/10

【第140回月例勉強会】取締役会が知っておくべきSDGs経営の実践プロセス ~サプライチェーンの小売業を事例 に~

■講師:渡辺 林治 氏(東京大学医学部特任講師/慶應義塾大学(商学博士)主任研究員/リンジーアドバイス株式会社 代表)

■講演内容:
SDGsについては経営の所与として、ほぼ全ての会社はその旨を開示情報の中で表明しています。しかし、マイルストンである2030年に向けて具体的なゴールを設定し、計画を立案し確行することは容易ではありません。今回の勉強会では、消費者への最終インタフェースかつ長大なサプライチェーンの出口でもある小売業を例に、SDGs経営の実践について学びました。講師の渡辺様は、特にSDGs経営を「企業の社会性を重視する経営」と再定義し、その中心課題の一つである社員や組織の健康に着目し、企業業績との正の相関を膨大な実証研究結果から確認されました。広範なSDGs領域でも特に身近である「ウェルビーング」を起点に、医学と経営学を統計学やデジタル技術を用いて統合する試みは、学術、実践の両面から今後の発展が大いに期待されます。


■ 講師略歴:
アカデミアとして、健康ウェルビーイング経営を研究し、関西学院大学では SDGs 経営論を今 秋担当。投資顧問会社を経営。長期投資家の視点、医学・経営学の知識を融合した企業評 価と助言を継続している。プライム企業で社外取締役として指名委員会委員長を務める。慶 應義塾大学経済学部卒業、UCLA アンダーソン校で MBA 取得、慶應義塾大学博士課程修 了。野村総合研究所とシュローダー投信投資顧問を経て現職。 近著『小売業の実践 SDGs 経営』(慶應義塾大学出版会)。

2023/01/25

【第139回月例勉強会】東京証券取引所の市場改革とコーポレートガバナンス強化への取組

■講師:山道 裕己 氏(株式会社日本取引所グループ 取締役 兼 代表執行役グループCOO/株式会社東京証券取引所 代表取締役社長)

■講演内容:
東証新市場区分は、グローバル資本市場に伍する価値創造のプラットフォーム再構築として、国内外から高い関心を集め202244日にスタートしました。しかし、旧東証一部上場会社の約85%がプライム市場に移行したことから、変革の実効性についての議論が続いています。今回は年初に相応しく、東証の最高経営責任者として市場改革を牽引されている山道様をお招きし、東証の取組みについての振り返りと今後の展望について、お話を伺いました。特にサステナブル経営に軸足を移すコーポレートガバナンス・コードの進化との関係を、改革の本質に関わる論点として再確認して頂きました。また英文開示に関する海外投資家アンケート調査結果の概要は、特にプライム市場上場会社に対して、コンテンツや媒体の再考を促すなど、エンゲージメント戦略に対する重要な示唆を含んでいます。新市場移行後の課題でもあるプライム上場維持のための「経過措置」や、「PBR1倍割れ」問題等についても、東証の考え方やスタンスを伺う貴重な機会になりました。


■ 講師略歴:
1977年、野村證券株式会社(現、野村ホールディングス株式会社)に入社。1998年取締役、2000年常務取締役、海外法人の社長、会長を経て、2007年専務執行役。2013年に株式会社大阪取引所代表取締役社長兼株式会社日本取引所グループの取締役に就任。2020年日本取引所グループ最高執行責任者(COO)に就任。2021年4月より現職。京都大学法学部卒業、ペンシルバニア大学ウォートン校にてMBA取得。

お問い合わせ先

一般社団法人実践コーポレートガバナンス研究会

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