セミナー

2016年 月例勉強会

2016/06/22

【第72回月例勉強会】GEのボード・ガバナンス ~2016 Proxy Statementから学ぶ~

■講師:安渕 聖司 氏(日本GE合同会社 代表職務執行者社長 兼 CEO)

■講演内容:
GEは、発明家エジソンが1878年に創業し、その後他社との合併を経て、1892年にGeneral Electric Companyとなった。それから123年の歴史を9人のCEOが長期的視点を持って経営してきた会社で、今ではグローバル企業の代表となっている。一方、事業の中身は時代と共に大きく変わり、現在の会長兼CEOであるジェフ・イメルトが2001年に現職に就いてからも、大胆に事業の入れ替えを行い、2015年にはGEキャピタルの大半を売却するという歴史的な意思決定を行った。
今回は、このGEの取締役会のガバナンスについてお話を伺うこととなった。事業の考え方、取締役のミッション・構成・運営、CEOやCFOの評価などの観点から、GEのコーポレートガバナンス原則や今年4月の株主総会の実際のProxy Statementを読み解きながらご紹介いただく。

■講師略歴:
三菱商事、リップルウッド・ジャパン、UBS証券投資銀行本部を経て、2006年、GEコマーシャル・ファイナンス・アジアに事業開発担当副社長として入社。2007年GEコマーシャル・ファイナンス・ジャパン 社長 兼 CEOに就任。2009年からGEキャピタル・ジャパン社長兼CEOに就く。2015年、GEキャピタルの全世界での売却が決定し、ジャパンは、2016年4月より、三井住友ファイナンス&リース株式会社の傘下に入り、現職にて引き続き経営にあたる。2014年に「GE世界基準の仕事術」(新潮社)、2015年に「GEの口ぐせ」(PHP研究所)を上梓。経済同友会幹事。HBS Club of Japan副会長。一般財団法人KIBOW評議員。社会イノベーター公志園実行委員・伴走者。放課後NPOアフタースクール アドバイザリーボードメンバー。ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ理事。インターナショナル・スクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK)ファウンダー。アジア女子大学(バングラデシュ)日本支援委員会委員。熱心な歌舞伎、文楽ファン。中村勘九郎・七之助後援会、中村福助後援会に所属。

2016/05/18

【第71回月例勉強会】FinTech(フィンテック)の影響と今後の課題 ~産業・金融・IT融合に関する研究会(FinTech研究会)の議論を踏まえて

■講師:植木 貴之 氏(経済産業省 経済産業政策局 産業資金課 課長補佐)

■講演内容:
ITを活用した革新的な金融サービスFinTech(フィンテック)が、個人の生活や会社の取引慣行、お金の流れを大きく変えようとしている。金融システム、金融・資本市場へのインパクトのみならず、多様な金融サービスの出現など、新しい産業競争の萌芽ともなりえる動きである。FinTechの急激な台頭を受け、経済産業省では、その影響や今後の課題等を幅広く検討するため、昨年10月より「産業・金融・IT融合に関する研究会(FinTech研究会)」を開催し、国内外から80人を超える有識者の声を聞き、本年3月に「発言集」としてまとめた。
今回は経済産業省の植木貴之氏をお迎えし、同研究会における議論を踏まえて、その意味するところや注目すべき動向や技術、そのインパクトの捉え方や今後の方向性等について、幅広くご説明いただいた。

■講師略歴:
2010年 一橋大学大学院経済学研究科応用経済専攻修士課程 修了(修士(経済学)。同年 経済産業省 入省、経済産業政策局 調査課、2011年 資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電力需給・流通政策室、2012年 大臣官房 調査統計グループ 総合調整室、2013年より経済産業政策局 産業資金課 併 産業再生課 新規産業室(現職)。

2016/04/14

【第70回月例勉強会】コーポレートガバナンス改革と独立取締役

■講師:藤田 勉 氏(シティグループ証券株式会社 取締役副会長)

■講演内容:
アベノミクスにおけるコーポレートガバナンス改革において、独立取締役の役割が注目されている。しかし、大手企業の一連の不祥事に見られるように、形式だけを整えてもガバナンスの改善は進まない。
そこで今回の勉強会では、シティグループ証券株式会社の取締役副会長である藤田勉氏を講師にお迎えし、コーポレートガバナンスの核である取締役会をどのように組織し運営するかについて、ガバナンス制度の国際比較を踏まえて解説していただくこととなった。
コーポレートガバナンス・コードの導入に当たっては、実効性の観点から取締役会の監督と経営の業務執行は必須である。講師の藤田氏は、日本的な経営の要素であった取締役の社内登用の意義を総括し独立取締役の効果的な活用を検討すべきと論じ、その資質や指名方法についても議論を深めるべきとの考えである。また、コーポレートガバナンス改革でのROE議論についても、「ROEを高めることが企業の長期的な成長にとって良いとは限らない」「ROEが必ずしも適切な利益目標ではない」と問題提起をされている。これらの観点からも藤田氏のご意見を伺った。

■講師略歴:
2000年9月、日興ソロモンスミスバーニー証券株式会社(現 シティグループ証券)株式調査部に日本株ストラテジストとして入社。当社入社以前は、山一證券株式会社、メリルリンチ投資顧問株式会社で日本株ファンドマネージャーとして合計17年間勤務。米国公認証券アナリスト、ニューヨーク証券アナリスト協会レギュラー会員。2006年から2010年の日経アナリストランキングにおいて日本株ストラテジスト部門5年連続第1位を獲得。2010年11月より、シティグループ証券株式会社 取締役副会長。現在、慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所客員研究員、慶應義塾大学講師(グローバル金融市場論)を務める。また、内閣官房経済部市場動向研究会委員、経済産業省企業価値研究会委員、北京大学日本研究センター特約研究員、早稲田大学商学部講師、第20回日本証券アナリスト大会実行委員会委員長等を歴任。1960年山口県生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒業。一橋大学大学院博士課程修了、経営法博士。著書:「上場会社法制の国際比較」(中央経済社、2010年)、「グローバル金融規制のすべて」(金融財政事情研究会、2011年)他多数。

2016/03/24

【第69回月例勉強会】人工知能は人間を超えるか ~ディープラーニングの先にあるもの~

■講師:松尾 豊 氏(東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻 特任准教授)

■講演内容:
IT、特に人工知能の急激な進歩が我々の社会や産業の構造を変え始めている。英オックスフォード大学の研究報告では、人間の仕事が機械やコンピューターに置き換わっていくことにより、今後10~20年程度で米国の総雇用者の約半分の仕事が失われる可能性があると予測されている。さらに将来、より人間の脳に近い認識を可能にした人工知能技術「ディープラーニング」が発展すれば、人間が人工知能に支配されるのではないかと懸念する声も挙がっている。 今回は、人工知能の最新動向、特に「ディープラーニング」を取り巻く状況について、日本でトップクラスの人工知能研究者である松尾豊氏にお話を伺うこととなった。人工知能の歴史を紐解きながら、ディープラーニングのもつ意義を解説し、今後の研究の進展について概観していただいたほか、これら人工知能の変化が、今後どのように社会や産業を変えるのか、人工知能の未来について解説していただいた。

■講師略歴:
1997年 東京大学工学部電子情報工学科卒業。2002年 同大学院博士課程修了。博士(工学)。同年より、産業技術総合研究所研究員。2005年10月よりスタンフォード大学客員研究員を経て、2007年より、東京大学大学院工学系研究科総合研究機構/知の構造化センター/技術経営戦略学専攻准教授。2014年より、東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 グローバル消費インテリジェンス寄付講座共同代表・特任准教授。専門分野は、人工知能、ウェブマイニング、ビッグデータ分析。人工知能学会からは論文賞(2002年)、創立20周年記念事業賞(2006年)、現場イノベーション賞(2011年)、功労賞(2013年)の各賞を受賞。人工知能学会学生編集委員、編集委員を経て、2010年から副編集委員長、2012年から編集委員長・理事。2014年より倫理委員長。日本のトップクラスの人工知能研究者の一人。

2016/03/01

【第68回月例勉強会】世界の難民とUNHCR (United Nations High Commissioner for Refugees:国連難民高等弁務官事務所)

■講師:檜森 隆伸 氏(特定非営利活動法人国連UNHCR協会(国連難民高等弁務官事務所)理事・事務局長)

■講演内容:
紛争や迫害により、故郷を、国を追われた人々が急激に増え続けている。2014年に世界中で国内外に移動を強いられた人々は約6000万人、そのうち1400万人が難民となるなど戦後最悪の状況が起きている。シリアの内紛では3年前の約10倍の400万人以上が難民となり、多くの人々が愛する人、大切な家族を守るため、ヨーロッパをめざす危険で過酷な長い旅を続けている。世界ではシリアだけでなく、アジア、アフリカでの紛争によっても多くの難民がうまれている。この深刻な状況下において、国連の難民支援機関であるUNHCRは世界約125か国で支援活動を行っているが、増え続ける難民の数に資金が追い付かない状況である。2015年に難民を助けるために必要な活動資金72億ドルのうち、実に61%の額が不足している。
今回は、UNHCRの活動を支える日本の公式支援窓口・国連UNHCR協会の檜森隆伸事務局長をお迎えし、難民問題の現状についてご説明いただき、日本がこの問題にどう向き合うべきか議論を行った。

■講師略歴:
1953年生まれ。1977年慶應義塾大学法学部卒業、野村証券株式会社に入社。海外勤務を経て1984年米国スタンフォード大学経営大学院にてM.B.A.取得。帰国後モルガン・ギャランティー・リミテッド東京事務所、ゴールドマン・サックス証券会社にて勤務。1997年より大手機関投資家に対する投資アドバイザリーの会社を創業し2010年1月に退任。2011年11月より国連UNHCR協会事務局長に就任。

お問い合わせ先

一般社団法人実践コーポレートガバナンス研究会

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