セミナー

2013年 月例勉強会

2013/06/17

【第39回月例勉強会】会計不祥事と監査役の役割

■講師:
丸山琢永氏(あらた監査法人 代表社員/パートナー 公認会計士 リスク・アシュアランス部長)

■講演内容:
近時、金融商品取引法上のディスクロージャーをめぐり、不正による有価証券報告書の虚偽記載等の不適切な事例が相次いでおり、公認会計士監査の実効性を求める指摘があるとともに、金融機関に対する融資先のモニタリング体制強化に向けた取り組みへの期待が高まっています。
本研究会では、不適切な会計処理事案が株主、投資家や金融機関を含む企業のステーク・ホルダーに及ぼす影響を解説し、最近の動向、発生原因について分析します。また、会計不祥事の未然防止という観点から監査役に期待される役割について考察します。

■講師略歴:
PwC-Japan(あらた監査法人、京都監査法人、プライスウォーターハウスクーパース株式会社、税理士法人プライスウォーターハウスクーパース等の総称)のパートナーとして、不正調査・フォレンジック業務を統括し、企業等の会計不祥事における第三者委員会の調査業務や再発防止に向けた不正リスク管理の高度化支援業務を担当。

2013/05/16

【第38回月例勉強会】ガバナンスについての哲学的考察~法と「良心」の問題を出発点として

■講師:
佐々木中氏(作家、哲学者/法政大学非常勤講師)

■講演内容:
コーポレートガバナンスは広い意味での法に拠ることを建前としています。講師の佐々木中氏は、著書「切り取れ、その祈る手を」の中で「法をどう運用するか、その時の基準になるものは何か、という問いにルターは『良心』と答えるのです」という文章を示しています。それでは、コーポレートガバナンスの拠る法の運用の基準となる「良心」とは何か?マックス・ウェーバーの論じた資本主義の精神はどのようにして現代のグローバル資本主義の感染性欲望に変貌したのか?このような問題意識を出発点として哲学者佐々木中氏に投げかけ、ガバナンスを巡って広く哲学的なお考えを述べて頂きます。
(問題意識の詳細は当研究会のブログ「コーポレートガバナンスにおける法と良心の問題」をご覧ください)

■講師略歴:
1973年生まれ。作家、哲学者。現在、法政大学非常勤講師。専攻は現代思想、理論宗教学。主な著書に『夜戦と永遠 フーコー・ラカン・ルジャンドル』(以文社、のちに河出文庫)、『切りとれ、あの祈る手を 〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話』『九夏前夜』『しあわせだったころしたように』『Back 2 Back』(いとうせいこう氏との共著)『晰子の君の諸問題』(以上、河出書房新社)などがある。最新刊は『夜を吸って夜より昏い』(河出書房新社)。

2013/04/17

【第37回】企業統治に対する証券取引所の役割と課題~企業行動に対する市場からの規範圧力

■講師:
高松明氏(名古屋大学客員教授、名古屋証券取引所顧問)

■講演内容:
上場企業の成長戦略における資本市場活用の重要性が再認識されている状況の下、コーポレートアクションに際しては、公的な法制と並んで、「取引所規則」についても、十分な注意を払う必要があります。
「取引所規則」自体も、従前の情報開示要請から踏み込んで、企業行動・統治に対する規範性を強めています。こうした市場開設者と企業統治との関わりは、今般のJPXのスタートにより、事実上、JPXの単独基準に集約されていくことになります。近時、私的自治を沿革とする自主規制機能を外出しする諸外国の傾向も見られますが、取引所が準公的な規範の担い手として上場企業の行動原則に積極的に関わる背景や意義について、改めて考えてみます。

■講師略歴:
名古屋大学客員教授、名古屋証券取引所顧問、EOY東海北陸地区選考委員ほか。
1973年:日本銀行入行。福島支店長、検査役などを経て、2004年に退任。2004年:名古屋証券取引所入社。常務取締役を経て、2012年に退任。2008年:名古屋大学客員教授に就任、現任。

2013/03/12

【第36回月例勉強会】投資家から見たコーポレートガバナンス~ガバナンス・オペレーション・ファイナンスに課題

■講師:
大場昭義氏(東京海上アセットマネジメント投信株式会社 代表取締役社長)

■講演内容:
昨年の安倍政権の掲げるアベノミクスに対応して株式市場は上昇しているものの、企業経営の効率性、ガバナンスの機能の改善が図られているかという観点から検証してみる必要がある。20年から30年の期間でみたパフォーマンスの低迷の要因は様々だが、投資家から見ると、発行企業のガバナンス・オペレーション・ファイナンスに改善の余地があるように感じられる。「失われた20年」といわれる期間を検証すると、全体のパフォーマンスが低迷する中で、東証一部だけでも100社以上の企業で投資家にプラスリターンをもたらしていることが確認される。発行企業に対してエンゲージメントすることによって企業価値を高める手法も参考になろう。

■講師略歴:
1975年、安田信託銀行(現みずほ信託銀行)入社。常務執行役員、みずほ年金研究所取締役社長兼理事長を経て2009年6月より現職。日本証券アナリスト協会副会長。財務会計基準機構理事。日本投資顧問業協会理事。1975年、早稲田大学政経学部卒業。

2013/02/25

【第35回月例勉強会】歴史の大転換と新しいグローバル市民社会の展望

■講師:
井出亜夫氏(日本大学グローバル・ビジネス研究科教授)

講演内容:
経済のグローバル化、新興経済国の発展、IT技術の発展による政治・経済・社会の変化等の中で、日本では明治維新、戦後改革に続くパラダイムシフト(第三の開国)が模索されている。そこで、
①日本経済社会の構造変化 ②改革の諸課題と新しい経済社会関係 ③産業構造審議会「2010年産業構造ビジョン」 ④ポスト産業資本主義社会における企業・組織経営とその社会的責任 ⑤新しい公共とグローバル市民社会の形成 ⑥東日本大震災からの教訓と復興に向けて ⑦TPPと日本の選択 ⑧日本近代化の経験と世界史における日本の役割(東アジア共同体への展望)⑨現代における歴史認識の現状を観察し、「坂の上の雲」、「官僚たちの夏」に代わる未来像「グローバル市民社会」をどう形成するか展望する。

■講師略歴:
1967年4月通商産業省入省、1999年7月に退官するまで、OECD日本政府代表部一等書記官、参事官、通産省住宅産業課長、資源エネルギー庁ガス事業課長、通産省調査課長、基礎産業局総務課長、経済企画庁官房企画課長、中小企業庁小規模企業部長、経済企画庁物価審議官、同国民生活局長、同庁より日本銀行政策委員、同経済企画審議官(OECD経済政策委員会日本政府代表)等を歴任。1999年9月~2009年3月まで慶応義塾大学の教授。2005年4月より現職。国際中小企業会議代表幹事&シニアアドバイザー2001年~現在。1967年東京大学経済学部卒業。

お問い合わせ先

一般社団法人実践コーポレートガバナンス研究会

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