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それはないでしょう西川三井住友銀行顧問! 門多 丈

2010年07月14日
西川善文氏の三井住友銀行顧問への就任は不可解だ。「日本郵政ガバナンス検証委員会」の報告書の中で、日本郵政(株)社長時代の同行との「癒着」が指摘されている。
前回のブログで、コーポレートガバナンスの点からは会社の顧問制にもメスを入れるべしと書いた。その後日本郵政(株)前社長の西川善文氏が三井住友銀行の顧問に就任していることを知った。メガバンクと違う銀行モデルを打ち立てるべく郵貯銀行の経営を見ていた西川氏が、今さら銀行に「復帰」するのも疑問だが、三井住友銀行も西川氏を顧問にした理由を開示すべきではないか。「郵貯は民業圧迫」と言っていたのは同行も主要メンバーとなっている銀行協会ではないか。

ことほど左様に企業の顧問制は不可解である。株主にも従業員にも任命の理由や処遇も開示しない。恒常的な制度として採用し「高額の報酬」を払っているとすれば、やはり株主総会に開示し然るべく議論するべきではないか。現実に、顧問が報酬にふさわしい貢献をしているかどうかも監査の対象とするべきではないか。

「日本郵政ガバナンス検証委員会」の調査専門委員会報告書と検証総括報告書が今年の5月に公表されている。その中で郵貯銀行のクレジットカードの業務委託先の1社に三井住友カードが選定されたことについて、業務執行の手続きの公正性・適切性の欠如の面で大きな問題があると報告されている。また、同社に年間50億円支払われた業務委託手数料の相当性にも疑問があることが指摘されている。このような環境の中での西川氏の三井住友銀行の顧問復帰は社会の疑念を深め、三井住友銀行の経営の見識が問われる。

参考:総務省ウェブサイト
日本郵政ガバナンス問題調査専門委員会報告書
日本郵政ガバナンス問題調査専門委員会報告書(別添)検証総括報告書

(文責:門多 丈)

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