ブログ

取締役の責任について ~東芝の教訓から~ 安田 正敏

東芝の粉飾決算事件を教訓として、もう一度、取締役の責任とは何かを考えてみたいと思います。「取締役は、違法行為が社内で行われないよう内部統制システムを構築すべき法律上の義務があるというべきである」という神戸製鋼所総会屋事件に関する神戸裁判所の見解(平成14年4月)は、取締役の責任としてそっくりそのまま東芝の粉飾決算事件に当てはまります。

ガバナンス・コードと取締役会の受託・説明責任 門多 丈

東芝の会計不正不祥事の根本的な問題は、取締役会の受託責任、説明責任の認識の欠如にある。取締役はどのような考えでことに当たるべきか、役割と責任については今回導入されたコーポレートガバナンス・コードで明確に議論され、規定されている。

東芝の新体制の矛盾 ~臨時株主総会での株主の議決権行使に注目~ 安田 正敏

東芝に対して個人株主が歴代役員28人に訴訟を起こすよう請求しました。しかし、訴訟を起こすかどうかを判断する監査委員会に前社外取締役が残っている矛盾した構造のなかで正しい判断を下せるかどうか疑問です。この問題に対して、臨時株主総会での取締役選任議案にたいする株主の議決権行使を注目したいところです。スチュワードシップ・コードの真価が試される時です。

【調査報告】監査等委員会設置会社への移行・移行表明企業の状況 安田 正敏

7月までの株主総会で移行した企業及びその後の総会で移行することを表明した企業は川井総合法律事務所が集計したリストによると8月5日で201社になっています。この201社のうち7月までの株主総会で移行した企業175社について有価証券報告書を調査したところ、多くの監査等委員会設置会社の監査等委員取締役は前任監査役であり、特に社外監査等委員取締役は監査等委員会設置会社の社外取締役の92%を占めています。また、監査等委員会設置会社の40%が従業員500人以下の会社であり、内部統制、内部監査のための人的資源が十分かどうかについて懸念を拭い去ることができません。

東芝の第三者委員会報告書を読んで 安田 正敏

基本的には、内部統制の機能不全、中でも企業風土、企業倫理などの企業活動を律する統制環境の破たんです。社外取締役の重要な役割の一つは、その会社の統制環境を評価することだと思います。そのためには、取締役会に出席するだけでは十分でなく、東芝の「社長月例会」のような社内の重要会議に出席し統制環境を嗅ぎ取る努力をすべきでしょう。

ひな型文化を排し中身のある企業行動を ~東洋ゴム、東芝を他山の石として~ 安田 正敏

体裁だけ整えればいいという慣行が如何に日本の会社をダメにしてきたかという点について、今回の東洋ゴム、東芝の事例を他山の石として日本の経営者はもう一度真摯に考えてみるべきだと思います。


効き始めたスチュワードシップ・コード ~ファナックの株主還元策~ 安田 正敏

ファナックは新設した対話窓口を通じ19の機関投資家の声を聞き、資本効率を重視した経営にかじを切ったと4月28日の日経朝刊が報じています。じわじわとスチュワードシップ・コードが効き始めたと感じられる事例だと思います。具体的には大胆な株主還元策をとるということですが、株主還元された資金がより効率の高い投資に回されることによって日本企業の企業価値全体の向上とひいては3本目の矢を引く強い力に貢献することを願います。

コーポレートガバナンス・コードへの対応 ~経営者の本質的理解と積極的関与が不可欠~ 安田 正敏

コーポレートガバナンス・コードに対する対応としてまず会社がやるべきことは、自らの会社の取締役会が「企業家精神を発揮」して、かつ「株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ」て「会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上」を実現してきたかどうか、という点について真剣にその実績を検証して省みることだと思います。


「責任ある投資」を考える:米国での年金会議に出席して 門多 丈

年金基金などの機関投資家は投資先企業のES&G(環境、社会、ガバナンス)について納得出来なければ、企業には投資しない時代になってきている。日本のスチュワードシップ・コードに於いても、ES&Gは「長期的な観点の立った建設的な対話」の中心テーマになるものと思う。

「コーポレートガバナンス・コード案」に対するパブリックコメントを提出しました 門多 丈

コーポレートガバナンス・コードという海図を使い、どのように舵を取って行くかが企業経営の課題となる。そのキーワードは「自己規律」と「説明義務」である。

お問い合わせ先

一般社団法人実践コーポレートガバナンス研究会

ページトップへ