ブログ

失敗続く日本企業の海外M&A ~その共通の原因とは?~ 安田 正敏

「日本企業による海外のM&A(合弁・買収)の88%は失敗している。10%は成功でも失敗でもどちらでもない。成功しているのは2%だけ」という日本電産の守永会長兼社長の言葉は、東芝や日本郵政のM&A失敗を目にすると非常に重みがあります。失敗の真の原因は経営者が合理的な判断力を喪失する結果となる様々な要因が絡み合っているようです。

東芝の隠蔽体質と社外取締役の責任について 安田 正敏

今年2月14日に公表された「添付資料に含まれる財務数値は、独立監査人によるレビュー手続き中であり、大きく修正される可能性があります」という注釈付きのウェスティングハウス社を巡る7,125億円という巨額損失の背景には、覆い難い東芝経営陣の隠蔽体質があります。外部の目をもってその隠蔽体質を変えることが期待された社外取締役は何をやってきたのでしょうか。東芝の社外取締役は、ウェスティングハウス社の問題に対して自分たちが社外取締役としてどのように取り組んできたのかあるいは何をすべきであったのかということを社会に公表する責任があると思います。

「相談役」について 安田 正敏

相談役と呼ばれる慣行が会社の経営に弊害をもたらすという議論が高まっています。議決権行使書助言会社であるISSは今年の株主総会の議案に対する議決権行使の新しい推奨基準のひとつとして、相談役を置くことを定める定款変更の議案については反対を推奨するということです。この相談役あるいは顧問といわれるような慣行は、コーポレートガバナンスを巡る他の様々な問題に影響を及ぼしている日本企業の文化に根差すもっと根源的な原因から派生しているのではないかと思います。

取締役の忠実義務について 安田 正敏

日本の経営者は会社法第355条(忠実義務)の意味するところを、渋沢栄一翁の次のことばとともに、じっくり考えてそれを肝に銘じてほしいものです。「もしそれが自己のためにはならぬが、道理にも契(かな)い、国家社会をも利益するということなら、余は断然自己を捨てて、道理のある所に従うつもりである。」

監査等委員会設置会社の脆弱性 ~コーポレートガバナンス・コードの形骸化につながるおそれ~ 安田 正敏

監査等委員会設置会社が、本来の目的である執行と監督の分離により業務執行の効率化を図りながら守りのガバナンスもしっかりと機能させるためには、常勤の監査等委員取締役を置くことと実効的な内部監査部門を持つことが必須です。この条件が整っていない状態で監査等委員会設置会社に社外監査役を監査等委員取締役に横滑りさせる形で移行することはまさにコーポレートガバナンス・コードの形骸化を招くことになります。

コーポレートガバナンス・コードの再構成 ~より現実的な対応に向けて~ 安田 正敏

2月25日に書いたブログで、コーポレートガバナンス・コード(以下、「CGコード」といいます)あるいはCGコードを巡る議論は「網羅的だが羅列的」と感じると書きました。それでは、このCGコードをどのように再構成すればより理解し易く、現実的な対応もし易くなるのかという点について考えてみました。
その考えをまとめたものがこの図です

網羅的だが羅列的 ~コーポレートガバナンス・コードを巡る議論~ 安田 正敏

コーポレートガバナンス・コード(CGコード)自体がOECDの「コーポレートガバナンス原則」に沿った形で構成されているため、CGコードを巡る議論は、筆者には全体的に「網羅的だが羅列的」と感じられます。実際に会社がCGコードに対応するコーポレートガバナンスを構築していくためには、この「網羅的だが羅列的」なCGコードを自社の考え方に基づいて再構成する必要があります。

取締役の責任について ~東芝の教訓から~ 安田 正敏

東芝の粉飾決算事件を教訓として、もう一度、取締役の責任とは何かを考えてみたいと思います。「取締役は、違法行為が社内で行われないよう内部統制システムを構築すべき法律上の義務があるというべきである」という神戸製鋼所総会屋事件に関する神戸裁判所の見解(平成14年4月)は、取締役の責任としてそっくりそのまま東芝の粉飾決算事件に当てはまります。

東芝の新体制の矛盾 ~臨時株主総会での株主の議決権行使に注目~ 安田 正敏

東芝に対して個人株主が歴代役員28人に訴訟を起こすよう請求しました。しかし、訴訟を起こすかどうかを判断する監査委員会に前社外取締役が残っている矛盾した構造のなかで正しい判断を下せるかどうか疑問です。この問題に対して、臨時株主総会での取締役選任議案にたいする株主の議決権行使を注目したいところです。スチュワードシップ・コードの真価が試される時です。

【調査報告】監査等委員会設置会社への移行・移行表明企業の状況 安田 正敏

7月までの株主総会で移行した企業及びその後の総会で移行することを表明した企業は川井総合法律事務所が集計したリストによると8月5日で201社になっています。この201社のうち7月までの株主総会で移行した企業175社について有価証券報告書を調査したところ、多くの監査等委員会設置会社の監査等委員取締役は前任監査役であり、特に社外監査等委員取締役は監査等委員会設置会社の社外取締役の92%を占めています。また、監査等委員会設置会社の40%が従業員500人以下の会社であり、内部統制、内部監査のための人的資源が十分かどうかについて懸念を拭い去ることができません。
1 2 3 4 5 次へ

お問い合わせ先

一般社団法人実践コーポレートガバナンス研究会

ページトップへ