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武田薬の臨時株主総会に注目 門多 丈

2018年11月28日

1118日の日経朝刊15面に記事では武田薬品の創業家の武田国男元会長がシャイアー買収に反対とコメントしています。現在の武田の株主は国内・海外の機関投資家が66%を占めるとのことです。臨時株主総会で買収に対して特別決議(3分の2)で賛成を得られるかを注目しています。


武田薬品がアイルランドのバイオ医薬大手のシャイアー社買収に関し、12月に臨時株主総会を予定している。買収のために同社が発行する新株が25%の希薄率を超える第三者割当増資であり、東証規則により株主総会での意思確認が必要なためである。また有利発行とみなされるため、3分の2が必要な特別決議を取る必要がある。この株主総会は実質的にはシャイアー社買収の賛否を問う場になる。 

武田薬品は買収後の統合はうまく行くのか。シャイアー社はM&Aを重ねて成長してきた企業であり、百戦錬磨の同社の経営陣をうまくコントロールできるか。買収に伴う巨額な借り入れやのれん代は要注意だ。シャイアー社は過去の買収で多額ののれん代を抱えている、それに今回の買収に伴うプレミアム(上乗せ)支払いで武田薬品に巨額ののれん代が発生する。事業が計画通り進まない時にはのれん代の減損が必要となり、東芝のウェスティング・ハウス社買収の時のような事態となる。買収の発表時から現在まで武田薬品の株価は約3割下落したままだが、投資家がこのM&Aを危惧していることの表れではないか。 

コーポレートガバナンスの観点からは、武田の取締役会で社外取締役を含めこのような課題やリスクについてどのような突っ込んだ議論がされているかに関心がある。海外の機関投資家は株主総会議案を精査し賛否の判断をすべき忠実義務がある。スチュワードシップ・コードでの説明責任がある本邦の投資顧問会社が本議案にどのように投票するかにも注目する。

(文責:門多 丈)

※ 本記事は金融ファクシミリ新聞2018年10月4日号「複眼」欄に投稿したものです。


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