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チャレンジされた外為法 門多 丈

2020年10月07日
エフィシモ・ファンドが東芝株主総会に今井代表を取締役として株主提案をした。1%以上保有の外国人株主提案であることで、外為法の事前審査を求められた。受理の条件として持ち株比率を10%以下にするように「指導」された(?)ようであるが、その経緯も受理の基準も不透明である。

旧村上ファンド系のエフィシモ・キャピタル(エフィシモ)が東芝の株主総会 で、今井代表を取締役候補として株主提案した。昨年改定された外為法の「1%以上保有する外国投資家が、密接な関係者を取締役として提案する」場合に該当し、エフィシモから事前届けが出された。 

総会前日にエフィシモはプレス・リリースで、持ち株比率を15.36%から9.91%へ減らしたことと、「審査の過程において相当程度の議決権を保有したまま、役員を東芝の取締役とすることは、国の安全保障等に影響を与えるおそれがあるのではないかとの懸念を生じさせることを強く認識いたしました」との発表をした。「10%以下」と指導したのであれば、財務省はその審査基準を公表すべきである。 

エフィシモが取締役候補を提案するのは株主として当然の権利であり、現に今井氏は43.4%の賛成を得た。国内のファンドは外為法の申請は不要である。エフィシモは国内ファンドと解し、審査は形式的なものにすべきであった。外為法改定時点で財務省は、「国の安全等に絞った透明かつ迅速な審査」と説明し、麻生財務担当大臣は「決してアクティビスト対策ではない」と言明もしている。エフィシモが持ち株比率を10%以下にすれば、安全保障上の懸念が解消する根拠は何か。この点について、財務省には説明責任がある。このままでは海外の投資家は納得せず、行政の不透明性に対する不信感は払しょくできない。

※ 本記事は金融ファクシミリ新聞9月1日号「複眼」欄に投稿したものです。

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