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委員会設置型ガバナンスとビッグネームの落とし穴 大谷 清

経営と執行を分離した米国型ガバナンスをいち早く導入して成長を目指したはずのソニー。しかしその下で選んだストリンガーCEO時代は、結果として期待はずれのパフォーマンスに終わった。ガバナンスの形を変えただけでは企業は成長しない。ビッグネームを社外取締役に並べるだけでは十分ではない。その企業に深い愛着を抱き、成長へ並々ならぬ情熱を注げる社外役員を探し出せ、というのが市場の切実な声ではないだろうか。

板谷敏彦著「日露戦争、資金調達の戦い」を読んで 門多 丈

国の信用が問われている時代である。国としても財政の規律を維持するとともに、国際金融市場での資金調達やIRについての明確な戦略と知見が重要になって来ている。

ホームズ判事の言葉と最近の「著名事件」 大谷 清

「Great cases make bad law」--- 米国最高裁のホームズ(Oliver Wendel Holmes Jr.)判事の名言である。大事件はメディアの報道などを通じて人々の異常な関心を引きつけ、感情に作用して判断を歪め、時にはそれまで明確だった法の原則までもが曲げられてしまう。20世紀初頭の知性はすでに大事件後のポピュリズムへ警告を発していた。

経営の「不作為」の象徴:エルピーダ破綻 門多 丈

日本経済や産業の停滞はデフレが原因ではない。この間の企業戦略や経営判断の数多くの間違い、環境変化にスピーディーに対応できない企業経営の体質にも原因がある。エルピーダ社の破綻については、経営陣と経産省、スポンサー企業の不作為に責任がある。ソニーなど大手電機メーカーの巨額な赤字については、戦略や収益・コストの構造的な問題を取締役会でこれまでどのような議論をして来たのかの説明義務がある。

世界で最も価値のある会社Appleとガバナンス 大谷 清

ウォルター・アイザックソン氏のベストセラー「Steve Jobs」によると、時価総額世界一に躍り出たApple社の取締役会は、強烈なカリスマ経営者に導かれた、米国や日本の常識に照らせばきわめて特異で例外的なガバナンスだったようだ。

「ファンドの春~今こそ問われる運用の質」シンポジウムに出席して 門多 丈

AIJ/年金消失事件では、運用を受託する投資顧問会社の専門性と職業倫理が厳しく問われている。「受託責任」は年金基金、投資顧問会社双方に重要である。

AIJ/年金消失事件の本質(2) 門多 丈

AIJ/年金消失事件でのAIJ投資顧問の詐欺的行為は論外であるが、年金基金の受託者としての責任の面での問題も深刻である。

ウォールストリートに記憶喪失症? 安田 正敏

2008年3月にベア・スターンズが破綻し、この破綻が世界的な金融危機に広がって行ってから4年が経ちましたが、ウォールストリートにはその記憶を失っている人が増えているようです。それを示唆する新聞記事を2つ紹介します。

AIJ投資顧問/年金消失事件の本質 門多 丈

AIJ投資顧問/年金消失事件の本質は年金基金、投資顧問の双方でのガバナンスの欠如である。独立系投資顧問会社やファンド投資全般についてのネガティブな論調は合理的ではない。運用がブラック・ボックス化していたことに問題があったのである。

何故我々は「指名委員会」の重要性を強調するか 門多 丈

実践コーポレートガバナンス研究会の理事会が提言した会社法改正案・中間試案に対するパブリックコメントの中では、指名委員会の重要性を強調した。オリンパス社や大王製紙の不祥事のコーポレートガバナンス上の教訓が、「社長、役員人事がお手盛り、密室で行われたこと」の問題にあると考えるからである。

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一般社団法人実践コーポレートガバナンス研究会

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